予定のない午後、日が出て暖かい。一人、散歩に出かける。
特に目的の場所はなく、
あそこは歩いたことなかったな、という通りをいくつか。
音楽を聞きながら、頭をからっぽにして歩く。
考え事はしないようにする。
ヴィクトリアの横の道を入る。
知る人ぞ知る隠れ家的居酒屋がないかなー、と期待するが、
ここもまた何があるわけでもなくただ団地と住宅地が連なるだけだった。
小さな店舗が4つか5つ連なっている、小屋を寄せ集めてつなげた長屋のような建物があった。
右側ふたつはなんだったか忘れたが、営業はしてないのだろう。
左からふたつ目は精肉店でまだ頑張って営業していた。
左端のおでん屋はシャッターが下りていた。
まだ時間が早かったからか。そうであってほしい。
その近くの公園に差し掛かると黒猫が。2歳か3歳ぐらいか。
首輪をしていないので野良だろう。
連れて帰りたいなあ、保健所に捕まらないといいが、と思うが、それ以上のことはできず。
厳しい環境の中で野良猫の平均寿命は3歳と聞く。
どんなささやかなことでもいいから幸あらんことを願う。
団地が続く。
一口に団地と言っても全く同じ無機質な四角い建物が続くのではなく、
よく見るとひとつひとつが違う。結構な個性がある。
壁の色、窓の大きさ、ベランダの造り、非常階段の位置。
もちろん古びたものとまだ新しいのとではかなり雰囲気が変わる。
URのがいくつか建っていたので賃貸住宅とはいえ、いわゆる団地とは異なるだろう。
こういった団地、集合住宅を専門とする建築家や設計事務所もあるんだろうな。
この辺り一帯、ある程度同じ方、同じ事務所が担当しているのか、
それとも実は全然バラバラなのか。
間取りも一口に 2LDK や 3LDK と言ってもかなり違うのだろう。
下赤塚に出て、成増へ。引き返す。公園を目指して歩く。
住宅地の中に入っていく。
草津温泉の旅館の看板を掲げた古い店があって、
もうだいぶ前にシャッターが下りている。
よく見ると(確か)出張所とあった。
都心から遠く離れたこんなところにつくって、営業になったのだろうか…
公園を通り抜ける。
さっき歩いたとき、フィールドには大勢の人がいてボールを投げ合ったり、走っていたり。
広場ではカラフルなコーンを並べて、ミニバイクに乗る子どもたち。
クリーニング屋に寄って、先日オープンしたばかりのOKストアへ。
2時間ちょっと。町は夕暮れ。
帰ってきて缶チューハイを飲む。