ネバーエンディングストーリー

昨晩、なんとはなしにテレビをつけたら
桐谷健太がアフリカのサバンナを旅するという番組だった。
見る端々で「なあ、萬平君」「親友やないか」「100円は高すぎる」と言い出しそうな気がした。
今後、桐谷健太はどこで何に出るときにも「世」と書かれたバッチを胸につけるべきだと思う。
そんなわけで、なんだかんだ言いつつ「まんぷくロス」
 
個人的には助演男優賞を与えるなら、ダントツで世良さん。
最初スポットで出てきた悪役かと思いきや、
いつのまにかしっかり定着して仲間に加わっていた。
ジャンプ的と言うか、最近(でもないか)だと『ONE PIECE』的というか。
老いも若きも、皆そういうのが好きなんだな。
様々な個性を持ったキャラクターがひとつになって目標に向かって進んでいく。
降りかかる試練の数々を乗り越えながら。
指輪物語』しかり、物語の基本構造だ。
 
遠くに目標を置いて、仲間との出会いと別れ、強い敵と遭遇して戦う、
その時々の無くしたものや探すべきものがある、
というエピソードを連ねていくと永遠に書き続けることができる。
ONE PIECE』のように旅してさすらう、舞台の変化が物語の変化になるほうが作りやすいかな。
渡る世間は鬼ばかり』のようにひとところで年月を積み重ねていく方がはるかに難しいと思う。
(『サザエさん』や『ドラえもん』は設定だけがあって、永遠に変化しない、どこにも向かわない)
 
そこでふと、だけど。
NHK も本気で、ある一家の出会いと別れと成長の物語を30年かけて毎日15分ずつ放映します、
みたいな別の意味での大河ドラマに取り組んでみてもいいと思うんですよね。
始まったころには産まれたばかりの赤ん坊が中年に差し掛かり、
若い母親も初老になり、というのを少しずつ描いていく。
一人の役者が演じるのが望ましいけど、
いろいろと事情があるから途中で他の人に代わってもいいだろう。
毎日は難しいか。一カ月に一度、60分のドラマで、とか。
リチャード・リンクレイター監督の『6才のボクが、大人になるまで』のように。
国民の多くが見守りながら成長していく家族の物語。
スポンサーの制約のない NHK でないとできない。
 
テレビでは難しくても、ラジオドラマではできるんじゃないかな。
それでいえば、また少し変わって、
役に扮して疑似家族として一家だんらんの場で
その週の出来事を話す、みたいな番組があってもいいのかもしれない。
ドラマの要素半分ぐらいの。