宇宙人の言語

今日は語呂合わせで、「ことばの日」であるという。
言葉、言語は火の起こし方や車輪を超えた、人類最大の発明であると思う。
文字をそこに加えてもいいだろう。
 
この広い宇宙のどこかに宇宙人がいるとして、
どんな言葉を話しているのだろうかと時々考える。
発する音の強弱や高低、長短により
ある音と他の音の意味するものが変わり、
その音の組み合わせで文章に相当するものが形作られていくとしたら、
そしてそれが時系列によって線のように形作られていくものだとしたら、
大きくは変わらないだろう。
 
しかしその音を発するという行為が人類のように「口」によってなされるとは限らない。
声帯というものを遂に持ちえず、
「手」に該当する器官で持ったものを叩くことで出た音で
意思の疎通を図るなんてこともあるのかもしれない。
筒井康隆には『関節話法』という有名な短編がある)
 
それでいくと、音の連なりという一次元的なものに頼らず、
最初から二次元、三次元でコミュニケーションを取るという生き物がいたっておかしくない。
「口」から発する煙の広がりで、その濃淡や模様で複雑な思考を表すとか。
 
個体Aから伸びた触手のようなものを個体Bの身体に空いた空洞の中に差し入れることで
瞬時にしてイメージの群れを伝達する、そんな宇宙人もいるかもしれない。
全体として意思のコンセンサスを図るときには群れが合体してひとつになり、
それが完了すると分かれて個々に活動するとか。
 
言葉のその先の何かを見つけたことで飛躍的に文明を発展させ、
星間航行を可能とした、そんな宇宙人もいたりして。
というか、今の言語・思考のスピード感では
これ以上の人類の進歩にとっては足かせにしかならないんじゃないか、
そんなことを時として思う。