南房総へ(前篇:枇杷を求めて)

3月に泊った宿がとてもよかったので
暖かくなった頃にまた泊まりに行きたいと妻と話していた。
夏のボーナスが出たらそれで、ということになってこの週末行ってきた。
 
土曜、7時半起き。
洗濯したり部屋を片付けたりしていたら
8時半、車庫の奥の門をガタガタさせる音が。
妻が勘違いしてペットシッターの方に土曜の朝からお願いしていた。
これまで丁寧な対応をしてもらっていたのに、僕らが不在の時に来てもらうので
基本で会うことがない。
応対した妻が初めてお会いした。
予想していたのとかなり違っていたと。
 
11時前に家を出る。
この日は朝から土砂降り。風も強い。そして寒い。
近くのガソリンスタンドに寄ってガソリンを入れて、
朝食代わりのエッグマフィンとホットコーヒーを買う。
 
環七からアクアラインへ。
海ほたるは横殴りの雨どころか暴風雨。
体重の軽い人は飛ばされるんじゃないか、というぐらいの。
それでも僕らのようにちらほらと観光客が来ている。
3月では工事中だったのが終わって、リニューアルしたレストランに入った。
妻はオムライス、僕はトルコライス
トマトとマイタケの入ったスパイシーなクラムチャウダーも。
隣りのテーブルは男2:女3という若者たち。
3:3だったのが一人雨で怖気づいて来れなくなったのか。
この大雨の中、後でどこに行くのだろうと思った。
 
食べ終えた後、土産物屋を見て回る。
14時。海ほたるを出て、木更津へ。
この大雨の中、車の衝突事故。この雨風ゆえなのか。
老人の乗った車は前面が大破。30代ぐらいの男性が乗った車は無傷に見えた。
どういう事故だったのだろう。警官が大勢仕事していた。
 
この日、僕の希望としては木更津のアウトレットパークだったけど、
宿に17時には着くようにすると15時には出ないといけなく、ゆっくり見て回る時間がない。
またの機会にすることにした。
 
ひたすら南へ。木更津、君津、富津。
金谷のフェリー乗り場の隣りに「The Fish」という
海産物を買ったり、食事をしたりという大きな施設があった。
3月に来た時に通りがかって気になっていた。
ここの土産物屋に入ってみる。
たこわさの瓶、松前漬け、「ぶっかけ浜めし」という焼きのり、青のり、鰹節を混ぜたものを買う。
この「ぶっかけ浜めし」日曜の夕方帰ってきて豆腐サラダを妻がつくって乗せてみたら予想通りうまかった。
磯の味がした。
 
その後セブンイレブンを見つけて夜に飲む缶ビール、缶チューハイ、ロックアイスを買う。
枇杷も一袋買った。
 
妻は枇杷が食べたい、買いたいという。
小さい頃、向かいの家に枇杷の木があって山ほどもらって子供たちで食べたと。
一方で僕は食べたことがない。
今は青森にも出回ってはいるんだろうけど、少なくとも家では買ったことなかったんじゃないか。
南房総市に入った頃から海沿いの鄙びた町並みに枇杷の直売所があちこちに出てくる。
駐車場に車を停めて、そのひとつに入った。
果物屋かつ食料品店というような。まばらにカップラーメンや調味料も並んでいる。
しかし店の人が出てこない。
レジも配送伝票も置きっぱなし。大丈夫か。
店の裏に回ると倉庫で老夫婦が枇杷を箱詰めしていた。
この大雨でお客さんも来ないだろうから引っ込んでいたと。
ここは露地もののみ、ハウスものは扱わず。
 
今年は5月末から始まって、この日はもうシーズンの最後のほうだと。
ギリギリ滑り込んだ。
環境問題を憂慮していて、極端に暑くなったり寒くなったり、
取れるはずの魚が取れなかったり、取れるはずのない魚が取れたりと異常気象が続いていると
枇杷の収穫もよくないという。
直接買ったら少しおまけしてくれた。プラスチックの袋いっぱい入って1,000円。
(日曜の午後、帰り道に通りがかるとやはり店先に誰もいない。大丈夫か)
 
この南房総市の道の駅に「枇杷倶楽部」という施設があるという。
行ってみるか、となる。
関東地方の田舎によくあるけど、
野菜その他特産物の直売所やそれらを用いた飲食店の大きな建物がいくつか集まっていて
その周りに大きな駐車場を広げている。
この日はさすがに大雨で客足は少ない。
中のカフェでは「ひわソフト」に限らず、びわカレー、びわカレーパスタ、びわカレーうどん
びわカレー尽くし。
気にはなかったが昼を食べてしまっているので素通り。
ここでも妻は枇杷を少々。
隣りの施設は昔ながらの道の駅で入り口脇でイカなど干し、
反対側では箱詰めされた枇杷が山のように並んでいる。
パイプ椅子にお年寄りが座っているのは枇杷農家の方たちか。
 
館山に入って市街地の中を行き、また海辺に出て宿へ。
17時前に着いてゆっくり五右衛門風呂に入り、缶ビールを飲んでまったり過ごす。
明るいうちに入る風呂はよい。鶯が啼いていた。
18時半に夕食。ホウボウの煮つけ、ブリ大根、刺身はかんぱちなど。
茄子の煮びたし、じゃがいもとタケノコとインゲンの煮物、などなど。
やはりここは料理がおいしい。
館山の地酒「里見の郷」を飲んだ。
雨は降り止まず、3月に来たときは食堂が満席だったのが、どうも今日は僕らを入れて3組ほど。
夏になれば海水浴客でてんてこ舞いになる。
この6月、梅雨の日々はオフシーズンか。
静かに過ごすことができてよかった。
 
さっそく枇杷を食べてみた。
赤塚不二夫のニャロメ選集を読む。
あと、ピーター・バラカンのディスクガイドを。
有田Pのおもてなす、きじまりゅうたの小腹満たします、お笑い向上委員会。
明日どこ行くかがきっかけとなり妻と喧嘩。
寝たのは午前2時…