日夜、蟻との戦い

 
先週水曜の夜、帰ってきて翌日の弁当の用意をしようと
キッチンの電気をつけてギョッとする。
蟻が群がっていた。
網戸をかけた小窓から調味料を並べた小型のラックを経て
その前に置かれたプラスチックの容器まで続いている。
妻が昨晩食べていたマカロンか。
ココアパウダーのようなものが残っていた。これだろうか。
容器を洗って捨て、目についた蟻はどんどん退治する。
うじゃうじゃ広がっていてきりがない。
いなくなっただろうか、とひと段落してその1時間後見てみるとまだいるので繰り返す。
妻は帰りが遅くなり、疲れているだろうからこのことは言わないでおく。
聞いたらかなりげんなりするだろう。
 
翌朝起きるとまだちょろちょろといる。
網戸の外側、小窓の手前に「アリコナーズ」を撒く。
家の内側だと何かのはずみにみみたが口に入れるかもしれない。
ここならさすがに大丈夫だろう。
帰ってくると蟻をほぼ見かけなかった。
ああ、これで落ち着いたなと思う。
 
金曜の朝、出社後に妻から LINE が。蟻が「大集合」している。
「砂糖入れの中で蟻たちが恍惚に溺れていた」と。
調味料を並べた小型のラックには
砂糖を入れたプラスチックの容器があってこれに群がっている。
油断した。敵の標的はこちらだったか。そりゃそうか…
ジャッジミス。こっちが本丸だよな。
帰ってきてみると、砂糖の入った容器の中に無数の蟻が…
動いているのはわずかで、死んでしまったのか動かないのが多数。
蓋との間のどこかに隙間があるんだろうな。
すぐにも捨てたかったが、間の悪いことに生ごみの日が金曜と火曜。
袋に捨てても追いかけるだろうから意味がない、
火曜までこのまま放置しようということになる。
 
土日月と過ごして今日、火曜。
見ると砂糖入れの中に蟻の姿は皆無。
スプーンで掘ってみても死骸は見当たらなかった。
妻に砂糖を捨てて入れ替えたのかと聞くと何もしていないと言う。
誰がやったのか、不思議なことがあるものだ…
と思っていたら、妻曰く、砂糖を抱えて皆巣に戻ったんじゃないかと。
ハーメルンの笛吹に導かれたかのように、作戦を終了して帰還。
死んだように思っていたのは、それこそ本当に恍惚に浸っていたのか。
 
今日はそのままにして出てきたけど、
蟻に付着したばい菌などもあるはずで。
人間の目には見えない糞尿をしているとか。
やっぱ金曜には中の砂糖を全て捨てよう。
しかしまた蟻たちは味をしめてやってくるのではないか…
どうしたもんか。