DiskUnionのこと

僕が東京に住み続ける理由のひとつとして、DiskUnion があると思う。
大学進学で上京して以来、ずっとお世話になってきた。
初めて入ったのは大学の入学試験が終わった日に
駅前の国立店を見つけて、というもの。
ものすごくごちゃごちゃして狭かった。ぎっしりと棚にCDが並ぶ。
そういう場所、青森にはなかった。生まれて初めてだった。
Gang of Four のベストを買った覚えがある。
もう1枚は Laibach『Opus Dei』だったか…
 
僕が大学に通った6年間の間、国立店は何度か模様替えをして
建物は変わらないものの中が広くなったり狭くなったり。
隣には AudioUnion があった。
少し離れたところに大きな中古センターができたときがあった。
レンタルビデオの2階だったか。
オープン当初のセールでたくさん買ったような。
その中古センターの売り場面積が小さくなって、いつのまにかなくなってしまった。
国立店も AudioUnion がなくなって、DiskUnion そのものも閉店した。
僕が社会人になって何年かしてからのことか。
 
入れ替わるようにして新宿エリアの店が大きくなったような印象がある。
今、5階が中古ロックCD館、6階がインディ・オルタナティヴロック館となっている
7階建ての細長いビルだけだったはず。
それが近くの雑居ビルの地下がプログレッシブ・ロック館になり、
プログレだけで1フロア占めるのかと驚いた。
King Crimson だけで棚の何列埋めるんだ!? という。
同じように、HR/HM館があったような。
それらも統廃合を繰り返し、
別の雑居ビルに昭和歌謡HR/HM、シネマ、ライブハウス?
さらに別の雑居ビルにレコードストア、ジャズ、Soul/Danceなど。
 
7階建てのビルの1階はCDの新品を売る店だったのが今はカフェになった。
CDが売れない時代、そういう方向転換が時代の流れなんだな。
だけど中古CDのニーズはある。
ニッチにジャンル分けをして大量に売り買いするならまだビジネスは成り立つということか。
レコファンも同じように吉祥寺、下北沢、大森、西武新宿と
あちこちに店があったのが都内は渋谷だけになってしまった。
何か明暗を分ける理由があったのだろう。
 
職場から近かったので神保町の DiskUnion はよく通った。
御茶ノ水店の存在を知るとそこもまたよく通うように。
新宿エリアの店とお茶の水エリアの店は微妙に匂いが違う。
よりマニアックというか。
その辺り、エリアを統括するマネージャーの嗅覚のようなものなのか。
それとも問屋街、古書店街に由来する土地柄なのか。
DiskUnion巡りをしているとそういったところも面白い。
 
残念なのは会員サービスのひとつにあった
店舗在庫検索機能がなくなってしまったこと。あれは画期的だった。
珍しいCDを調べて、在庫があったら直接買いに行く。
お、あった! と棚に見つけると心が弾む。
代わりに、他の店舗やネット販売の商品を別の店舗で受け取るサービスとなった。
基本的に会員が享受するものは大きく変わらないんだけど、印象としてはかなり違う。
探す喜び、見つける喜びが半減したというか。
恐らく在庫管理が難しいんだろうな。
反映のタイミングをかなり頻繁にしないとタイムラグが生まれてしまう。
見つけた人が買いに行ったら見つからない、既に売れてしまってクレームになったとか、
そういうことがあったのだろう。
 
でもまあ DiskUnion で珍しいCDが見つかるのはとてもありがたいことで。
Amazon で大層なプレミアがついたものも、
DiskUnion では定価よりちょい上乗せぐらいで、まともな価格で買える。
僕はこれからも DiskUnion にはお世話になり続けるのだろう…