「トリムラン」のこと、青森の平井堅のこと

お盆に帰省した時に成田本店で目にして買った『めご太郎』という手作り感覚の青森市ガイド。
いろいろ発見があったんだけど、
一番「へー!」「そうだったんだ!?」となったのが、青森市は実はソース焼きそばの町なのだと。
四角くて極太の「角打麺」が特徴で原田製麺、大谷製麺が2大メーカー。
僕は全然知らなかったんだけど
「しおや」「しょう太」「すずき」「後藤食堂」「小鹿焼きそば店」といった店が紹介されていた。
そうか、あの四角いモチモチした麺はもしかして青森の隠れた名物だったのか……
 
……ということを思い出したのは、昨日高校の演劇部のことを書いたから。
学校の裏に「トリムラン」という弁当屋があって、ここの焼きそばが僕ら世代の思い出の味。
いつでも誰でも食べられるわけではない。
昼休み、学校の外に出て食べることは校則で禁じられていた。
なのでちょっと悪ぶってる奴らだけが食べに行く。学食なんて行けっかよ、みたいな。
ある日連れてってもらう機会があったんだけど間の悪いことに後者の外に出た途端、
「こらっ おまえらどこさ行くんだ!?」と先生に見つかってしまった。
夕方のホームルームで「報告あったぞ。行ったの誰だ? 手ぇ上げろ」ってことになり……
 
その頃の学校はまだ週休二日制ではなく、土曜は午前まで。
時々友人たちと自転車に乗って遠出して食べて帰った。
「じゃあトリムラン行くか」となって一度だけ入った。
でもそんなときに食べてもドキドキワクワクはしないわけで。
いたって普通の焼きそばを普通に食べて帰ってきた。
小中大、特大とあって小は100円ぐらいだったように思う。
特大が330円で50円の目玉焼きを乗せても380円。とても安かった。
こういう店って全国どこの高校にもあるんじゃないか。
探せばホームページがまだ出てくるので、店は健在なのかもしれない。
今も高校生たちは食べているのだろうか。
 
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おまけ。先週青森帰ったときのこと。
 
青森駅前の「A-FACTORY」におしゃれなハンバーガー屋があって、
そこに平井堅似のイケメンな男性が働いていた。
50代手前ぐらいか、白髪交じりで他の店員は女性ばかり。異彩を放っていた。
それが3年前の正月。
「A-FACTORY」を訪れる度に「平井堅いるかな」と妻と言いあって、いるねとかいないとか。
 
この前お盆に帰ってきたとき、「このところ見かけないね」となる。
「A-FACTORY」はJR東日本の運営なので、彼は実は青森に流されてきた鉄道マンで
3年のお勤めを終えて東京に戻ったんじゃないか。
妻とはそんな結論になった。
 
先週帰ったとき、昼は青森駅前に出てあちこちでラーメンを食べた。
本町を経由して新町へ。
小さい頃通った幼稚園が今、教会になっている前を懐かしくて必ず通る。
本町は飲み屋街でその中に内装工事中の店があった。
業者が働いている側で毎日、通りがかる友人と楽し気に話し込んでいる男性がいる。
どこかで見かけたことあるなあ、と思う。
 
ずっとモヤモヤしたまま東京に戻って来て、ハタと気付く。
「あ、平井堅だ」
そうか、夢を叶えて独立したんだな。あの風情はオーナーだよな。
内装工事の始まったばっかりで喫茶店なのかレストランなのかスナックなのか全くわからず。
正月帰ったときにはオープンしているだろうか。入ってみようかな。