睡眠時無呼吸症候群の検査、続き

一昨日の夜、昨日の夜と検査器具を付けて寝た。
左手の指先にセンサーと鼻の穴には透明なチューブ。
それぞれ計測器につながり、手や喉に固定するためにサージカルテープでしっかりと押さえる。
もちろん、違和感がある。
最初の夜はなかなか寝付けなかった。
布団の中で管やコードをつけていると入院しているようだった。
こんなふうに自宅で医療器具に接続して寝ている人は日本にどれぐらいいるのだろう、ということを考えた。
若いうちはそんなこと思いもしないが、きっと多いのだろう。
 
検査器具の小さなモニターにはセンサーの感度と心拍数と呼吸したことを表すマークが表示される。
それとトータルの計測時間と、残りの充電量と。
左手首にマジックテープで固定して、時々眺める。
センサーは95か96、心拍数は70から80で大きく変わることはない。
寝返りを打つ時には左手首の機器がずれないように右手で押さえる。
この寝返りが自由に打てないというのが、ストレスになる。
入院して手術直後がそうだったな、ということを思い出す。
自分からは寝返りの打てない人、寝ている間の姿勢を変えてはいけない人が
この国には何百万人といるんじゃないか、ということを考える。
 
朝起きて検査器具の電源を落とす。
サージカルテープをはがすときにほっとする。
記録用紙に何時に起きたか、何時に水を飲んだか、何時にトイレに行ったかを記載する。
睡眠時無呼吸症候群だとトイレに何度も起きたり、寝ていて喉が渇くようだ。
僕の場合、昔から眠りが浅いので目を覚ましたことは一、二度あったが、それぐらい。
妻に聞くとこの二晩は仰向けになったときにクークー、グーグーと軽くいびきをかくことはあっても
ザズズズズとひどい音にはなっていなかったようだ。
やはり前の晩酒を飲みすぎると大きな音みたいで。
火・水とこの二晩はこのところ休肝日にしていたので飲まなかった。
検査のためなら、酒を飲むとどれぐらいひどいことになるか深酒した方が
むしろよかったのかもしれない。
 
今日の朝、検査器具を御茶ノ水まで返しに行った。
朝9時の診療開始の時点で待合室はいっぱい。
予約の電話がひっきりなしにかかってきて受付も忙しそうだった。
返却して、記録用紙の確認をして、クリニックの入っていたビルを出た。
台風が近づいているからか風が強い。
飯田橋まで川沿いの、中央線・総武線沿いの道を歩いてオフィスに戻った。
 
たった二晩だけのことだったのに、
今晩、普通になにもなく眠れるというのがうれしい。