日曜の夜に寝違えたのか、背中が痛い。
かばうようにして肩こり。
2日続いてこれはいかん、と昨晩消炎鎮痛剤のローションを塗る。
母から以前もらった「ジクロテクト」というもの。
和室の布団に入るとみみたが寄ってきて、
フンフンフンフンと鼻をひくつかせ、ニャーニャーなきながら首や肩をスリスリする。
布団の中に潜り込むとみみたもイソイソと入ってくる。
舌でペロペロと舐めたら薬剤が危険だろうとみみたを遠ざけようとすると
フギャーと機嫌を損ねて腕を思いっきり噛む。
リビングにいた妻が「こら、みみた!」と猫じゃらしを振るが、見もしない。
僕が布団から離れると、残り香がするのか枕カバーを嗅ぎまわる。
シャワーを浴び直すといいのだろうかと最初考えたが、和室の引き戸を閉めて寝ることにした。
外でみみたがニャーニャーないている。
うずくまっている姿を思い浮かべる。
戸をひっかくカリカリいう音も聞こえる。
後で妻が送ってくれた写真を見ると
お気に入りのボールを脇に従えて引き戸の前で待っていた。
そもそもは日課のボール投げをせがみたかったのかもしれない。
リビングと和室の間の引き戸を閉めて寝たのはこれが初めてなんじゃないかと思う。
少なくともみみたがこの家に来てからは。
それにしてもこの「ジクロテクト」
猫の喜ぶ成分が入っていたのか。思わず狂暴になるぐらいの。マタタビ系とか。
他の消炎鎮痛剤もそうなのだろうか。
ネットで探してみたらあった。
南ヶ丘動物病院による「消炎鎮痛剤の塗り薬、湿布薬にご用心」
消炎鎮痛剤に含まれるメントールという成分が猫は好きなのだとか。
調べてみたら確かに「ジクロテクト」にも入っていた。
ほっとかずに心を鬼にして引き戸を閉めておいてよかった。
普段暮らしていると人間には無害でも猫には危険なものが案外多く。
以前は月に1度ぐらいちょっとした花束を買って帰ったもんだけど、
台所に花瓶を置いていたらジャンプしてユリ科の植物をムシャムシャ食べたことがあって。
次の日慌てて動物病院に連れて行った。
それ以来結婚記念日だろうと花は買わず……