芸人として大成するということ

この前の日曜の『モヤモヤさまぁ~ず2』で
心に残った、というか引っかかったことがあった。
 
何回か前の回で、さまぁ~ず一行は強力なゴムで手足を吊り下げてアクロバット体験を行うことになった。
逆バンジーのようにおもいっきり後ろに吹き飛ばされて宙を舞うというもの。
オマエもやれよと弟子の若手芸人も最後にやることになって、その際、なにか持ちネタを披露しろと。
「小ナマーイ」で小さくポーズをとって、「中ナマーイ」で少し大きくなって、最後に
「大ナマーイ!!」で手足を伸ばして爆発を表現する。つまり、ダイナマイトですね。
特に笑えるものではなく、まあ失笑もの。
この「大ナマーイ!!」を合図にストッパーが外れて、
彼は伸び切ったゴムの力で行き意欲空中に打ち上げられた。
 
視聴者からのお便りで、幼稚園児がこのときの録画を何度も繰り返して見て
「小ナマーイ」「中ナマーイ」「大ナマーイ!!」とテレビの前で真似をするのだという。
確かにこういうの、小さい子は好きかもしれない。
それをビデオに撮ったものをさまぁ~ず一行がタブレットで見て、若手芸人の彼は思わず涙ぐむ。
本気で泣き出す。「一人でも気に入ってもらえてうれしいです」というようなことを言った。
 
それを見て三村マサカズが一言、ポツリ、
「あ~あ、こいつ芸人として大成しねえな」
 
後輩いじりと言えばそれまで。
先輩はひどいなー、と思って笑えばそこでおしまい。
こういう無責任な発言はむしろさまぁ~ずっぽくていい。
 
気になってここ二三日、この時の発言の意図を考えた。
やっぱ芸人たるもの、
そこでさらに笑いに変えなきゃいけないんですよね。
どんな機会も笑いに持っていく。
 
家に帰って一人きりになったときに泣くのはいい。
だけど人前で素の自分に戻って泣いたりしたらいけない。
それはプロのすることではない。
そういうことなのだろうと。
 
吉本しかり、芸人はたくさんいる。
しかしテレビに出て売れているのはほんの一握り。
若い彼もなかなか厳しそうだな……
その存在感や間合いだけで笑いがとれる、というところまでいかないといけないのだろう。