件数チェック祭り

IT業界のシステム移行あるあるが、移行直後のデータ件数チェック祭り。
ある時ある人がなんかおかしいと気づいて試しに突合せしてみると全然合わない。
注文件数、資産件数、売上金額合計、請求金額合計……
多くの人を巻き込んでお祭り状態となり、
EXCELマクロの達人が重宝され、最後は大きな電卓を持つ人が存在感を放ち、
やたらめったら帳票をプリントアウトして束にするだけの役割の人が生まれたり。
 
土曜の移行作業を終えて、月曜に出社。
なんか思いっきり想定件数とずれてるんですけどとと問い合わせがあって調べてみると
開発ベンダーが移行除外リストを取り違えていて、それをやり直してもらったんだけど、
終わって夜帰ろうとしたところで「件数は合ってますか?」とツッコミが。
帰る気満々でスルーしたかったのをそうするわけにもいかず。
しかし、えてしてそういうときってそこはうちの担当領域じゃないというところの
認識がずれていて、誰も拾ってないものだったり。
なので元々確認手順を用意してなくて、
というかそれが必要だと一瞬たりとも思い浮かばなくて、
急に言われても何と何を突き合わせるんだ? と五里霧中。
昨晩のうちに終わらなくて、開発ベンダーに聞かないとわからないとなって、遅くに解散。
 
今朝もまた再開するんだけど、気が付くと作業をしているのが僕一人になっている。
それもまたよくある話。
SQLの抽出条件の AND と OR を間違えていたり、NULLの扱いの考慮を忘れていたり、
日付系の範囲の取り方を改めて調べてみたり。
EXCELもやたら VOOKUP をコピペしてこのセルでいいんだっけ? と。
朝のうちに合い始めて、昼ぐらいにはめどがついて、夕方には終わった。
この程度で済んでよかった。
 
僕が30歳の誕生日を迎えたときは
部門皆正月休み返上で隣の部門も吸収されてというブラックホール状態。
30歳を迎えた瞬間は会社にいて、岡村君は誕生日だから早く帰っていいよと。
それがついにシステム切替を迎える日が来て、
大阪に本部のあるお客さんだったので何人かサポートに行ったんだけど、
日を追うごとにどんどん人狩りにあって無期限の大阪出張へ。
少しでもタスクが空いてたら無理やり突っ込まれるという。
会議室に缶詰めになって徹夜してひたすら帳票の金額確認。響き渡る電卓の音。
ある上司はずっと着替えないまま二徹三徹でせめて着替えて来いと怒られたとか。
僕も一度だけ行ってみたら何が何だかよくわからないまま終わった。
盲人が象の足を触って、それが何なのか想像できないというような。
あのとき初めて「神坐」でラーメンを食べたなあ……
 
面白いのはこういうときに本音が出てきて、
システムは信用できないと紙と電卓と鉛筆に戻っていく人とか。
僕もそっちかなあ。