ラジオ体操というもの

雨の土曜。
布団でのんびり過ごしていた妻が起き上がって来て、
ラジオ体操をするというので、リビングで一緒にやった。
音楽なしで、テンテレレンと自分で言いながら。
第一かと思いきや第二だった。
第二の方が複雑で難しいんだよなー、よく覚えてるなあと感心させられる。
僕は全然覚えていなかった。
体が硬くてリズム感も悪く、モジモジしたものとなった。
 
ほんとなら毎朝、ラジオ体操第一・第二とやったほうがいい。
今も NHK の朝のテレビやラジオではラジオ体操を放送している。
 
2年ぐらい前か、早朝走ってみようと近くの大きな公園に行ってみたら
陸上競技のフィールドに大勢の年配の方たちが集まってラジオ体操をやっていた。
ひとつの集団のような、そうでもないような。
間を縫って走っていると
この人たちはグループなんだなというまとまりを感じることもあれば
(その中心には小型のラジオを自転車の荷台に積んでいる)
はずれの方で一人ちょこんと加わっているような人もいた。
フィールの中に入れる人、入れず外のジョギングコースの人、
なんとなく序列がありそうだった。
それを分けるのはキャリアの長さなのか、
社交性なのか、住んでいる地域のランクなのか。
たった一度見かけただけの僕が勝手にそんな色眼鏡で見ただけのことなのかもしれない。
 
海外の日本人、日系人の集まっている地区では今も朝はラジオ体操を……
というのもあるのかもしれない。
ハワイのラジオ局が放送しているというのをどこかで聞いたことがある。
ブラジルでは今も盛んだったか。
各国の日本の大使館で駐在員が毎朝集まってラジオ体操をやってたらいいなあ。
アフリカの小さな国で、とか。
そういう場面から始まる映画がつくれそうだ。
海外の辺境における日本人らしさ、を象徴するエピソードみたいな。
別に大使館でなくてもよくて、海外に何十年と暮らす年配の日本人が
今も日本が体にしみついていることのエピソード。
ラジオ体操は古き良き日本、大衆の生活の場としての日本の象徴なんだな。