果物の件

こんなことがあった。
午後、ピンポーンと鳴って出て見るとヤマト運輸の配達のお兄さん。
雨の中、大きな箱を抱えて困った顔をしている。
配送物から汁が漏れているという。
元々の段ボール箱をビニール袋で包み、さらにそれを一回り大きな箱に入れている。
 
開けずにそのまま返すこともできるようだったけど、
伝票に記載された内容から察するにこれは受け取った方がよさそうだと。
知らない人からだったら即突っ返す。
試しに開けて確認してみますかとなって
ハサミを持ってきて開けてみたら案の定、中の果物がひとつ腐っていた。
他にもうひとつ大事な同封物もあったので、やはり受け取らざるを得なかった。
 
お兄さん曰く、連絡すればそのひとつだけ送り直してもらえますが、どうしますかと。
今ってそんなこともできるのかと驚く。サービスが行き届いている。
ヤマト運輸の不備ではないのにそこまでしてくれる。
でも大雨で全国的に大変な時に
その一個のためにあちこち手間をかけるのもなんだよなと断ることにした。
このまま受け取りますと。
 
受取ったはいいが……
改めて箱の中を見てみると真ん中にひしゃげた果物が、つぶれたボールのように。
その周りにドロドロに溶けた果肉と種がまき散らされている。
ひー……
せめてクール宅急便で送ってくれれば……
でも梅雨で暑くないからと人は思ってしまう。
 
生き残った果物を取り出して流しで洗う。
腐ったのはスーパーの袋に入れて外に出しておいて明日の生ごみ収集を待つつもりでいたら、
相談した妻からはアリが寄ってくるのでNGということになって、
ジップロックに入れて臭いのしないように冷凍庫へ。
箱は流しか風呂場で中を洗ったほうがよいのではと妻は言うが、
内側がドロドロになった箱は腐敗集がひどく、これを家の中にあげるのは辛いなと。
覆っていたビニール袋のまま新聞紙で包んでゴミ袋に入れた。
ゴミ袋も二重にした。
外側の段ボール箱も同じように新聞紙で包んで捨てた。
いやー、ほんと大変だった。。
 
果物を送る、受け取るってホント難しい。