最近のみみた

昨晩、クエックエッという音がしたかと思うとみみたが突然吐いた。
18時過ぎにカリカリを、その30分後に味噌汁をつくろうと茹でて煮干しを冷ましたのを。
どちらも盛んに鳴き声をあげてせがんで、ガツガツと食べた。
なのに19時前、妻が帰ってきたころに突然それを吐く。
猫草を食べたわけでもないのに。
 
(ここ1年、出来上がった猫草を島忠で買うのではなく
 小さな鉢植えに土から種を植えて育て、枯れ始めた頃に入れ替えている。
 それを入れ替えて数日、ようやく芽が出てきたところだった)
 
時々何の理由もなく吐くが、それが何なのかよくわからない。
具合が悪くてぐったりするというのでもない。
気が立っているような時があるが、関係するのだろうか。
妻は天気の悪い時に吐いてるように思うと。
 
その後、妻がみみたが見当たらないと探しに行くと
1階奥のCD部屋にいて、収納の扉の陰でじっとしていると。
見に行ってみる。明かりをつける。
扉には写真集の類が何冊か立てかけてある。
その裏に何かいるのだろうか。
月曜に今年最初の …… を1階の廊下で見かけて退治して、
水曜にコンバットを仕掛けたばかりだった。
 
やだなと思いながら本を1冊ずつ取り除く。
しかし何もいない。
意を決してもうひとつの扉を明けてみる。やはり何もいない。
なのにみみたはそこに手を伸ばし、首を伸ばし、クンクン、フンフンとする。
そしてまた座り込む。
暗いところに残すのはかわいそうだと電気はつけたままにする。
 
立っている人間には見えない、猫の目線からしか見えない隙間に何かがいるのか。
妻が言うには火曜の夜遅く、
冷蔵庫の隣りのワゴンの下を同じように眺めていて動かなかった、
 …… を見つけて、見張ってたんじゃないかと。
(なので翌朝、コンバットを買いに行った)
 
1時間ぐらい下にいただろうか。
お役目の終わったみみたがノソノソ階段を上がってきて、
2階のソファーの背もたれの端でいつものように香箱を決めた。
何事もなかったかのように。
心なしかいつもより疲れているように見える。
 
僕は階段を下りて電気を消しに行く。
気配を感じたわけでもないのになんだかぞっとする。
誰もいないはずの部屋の明かりを消して振り返らないようにする。
 
そして今朝。
みみたは床の間の前に座って奥をじっと眺めている。
さすがにそこには何もないはず。
ここまで来ると彼はそこで何かの哲学を極めようとしているのかとすら思う。