右から左へ

昨年青梅を訪れたときに、猫の街だと知る。
ゴジラブルース・リーなど猫でパロディ化した映画の看板をあちこちで見かけた。
いくつかレトロな絵葉書を買った中に、こんなのがあった。
 
「SIPPOROL
 湯上りに
 ルーロポッシ
 堂猫和」
 
お父さん猫が赤ん坊の猫を抱いて、ベビーパウダーをはたいている。
和光堂の「シッカロール」ですね。今も続くロングセラー。
 
上半分は左から右へ読んで、
下半分は右から左へ読む。
上記サイトだと「シッカロール」と左から右へ。
実際のとはデザインが異なるので何とも言えないところがあるんだけど、
昔の看板って確かに右から左に書かれてたよなと。
これを真似るだけでかなり懐かしさ感が出てくる。
 
僕の小さい頃はまだ、大型トラックのコンテナに書かれた
所属企業の看板を兼ねた大きな文字が右→左だった。
正確には、車体に対して左側が右→左で、右側が左→右だったような。
進行方向に合わせて。
いや、逆かな。逆のような気がする。
最近はそういうの全く見かけなくなった。
左→右に統一されている。
 
日本は縦書き文化だった。右から左へ。
そこに明治維新後本格的に欧米の横書き、左から右の文書が入ってきて、
じゃあ日本語はどうすんだとなったんだろう。
慣れているのは縦書きで右→左、しかし欧米化も進めたい。
横書きで右→左なのはその妥協の産物なのか。
横書きとは考えず、一行一文字の縦書きと考える。
 
それが若い人たちに違和感を覚えさせるようになって
いつか消えてしまったとき、日本の欧米化は完了したのかもしれない。
いや、探せばまだ少しは右→左トラックは走っているか。
それでも、少なくとも看板は消えた。
 
特に法律はなく、国内外ともに決まったものはなく、
ただ単に慣習的なものだったんじゃないかな。
アラビア文字は右から左だと聞きますよね。
全く読めないので右も左もわかりませんが……