しゃぶしゃぶというもの

昨晩、頂きものの鹿児島産黒豚しゃぶしゃぶを食べた。
そばつゆにつけて食べるというもので、刻んだネギや柚子胡椒の小瓶も添えてあった。
至れり尽くせり。白菜、春菊、ネギ、豆腐を買ってきた加えた。
 
黒豚もネギも新鮮なまま届いて、冷凍ではなかった。
鹿児島から東京まで鮮度を保ったまま届くのか、すごいなと思うが、
ヤマト運輸クール宅急便のサービスを開始したのが1987年とあったのでもうだいぶ前。
意外とこういうものって自分の中で時が止まっている。
小さい頃は冷凍だったなと。
その黒豚の肉はホロホロと柔らかく絹のようであった。
 
僕も妻も裕福な家で育ったわけではない。
もしかしたら生まれて以来
一番おいしいしゃぶしゃぶだったんかないかということで一致する。
妻は学生時代、たまにはいいものを食べようと
友人とすき焼きとしゃぶしゃぶの店に入ったとき迷わずすき焼きを選んだが、
友人はしゃぶしゃぶにした。
え? なんで? とその時は内心かなり驚いたという。
 
今でなら新鮮な肉の旨味をそのまま味わうにはしゃぶしゃぶがいい、
というのがわかる。
でも若い頃はあんなのお湯で茹でただけでしょ? 水で薄まるよ!
すき焼きのほうが絶対いいよ、味ついてるし。高級だし。
なんて僕は思っていた。
 
高校まで、家では豚しゃぶですら食べなかったと思う。
初めて食べたのは社会人になってからじゃないか。
大森か銀座か。夜なら入れないような店でもランチなら
1,000円ちょっとで食べることができる。
ポン酢とゴマダレがついて、肉の皿に野菜が添えられていて。
冷凍の肉だったんだろうけど、十分うまかった。満足感があった。
 
そういえば以前会社の飲み会でよく「しゃぶしゃぶ温野菜」を利用したな。
あれは皆が喜んでいたと思う。リーズナブルなのに安っぽくない。
店舗の近隣のオフィスにはFAXでクーポンが届いて、さらに安くなる。
いい戦略だなと思う。
そういうことしてたの「しゃぶしゃぶ温野菜」だけだった。
火鍋もあったし。
 
今住んでいる家の近くに「しゃぶ葉」がある。
しゃぶしゃぶ食べ放題。
いつか行ってみたいと思いつつ、いつ見ても家族連れで混んでいる。
コロナ禍が落ち着くまで行けないか。
焼肉屋のような席ごとの換気はないだろうし。