明瀬山のこと

結婚して変わったこと、妻から影響を受けたことのひとつが、
大相撲を少し見るようになったことだ。
妻は昔からのファンで、場所の間、土日は時間が許す限り中継を見て
友人とこの取り組みは、あの取り組みは、と言い合っている。
 
熊本出身の正代と佐田の海、青森出身の宝富士や阿武咲といった
最近の名前を少しずつ覚えるところから始まって
17時半を過ぎた辺り、大関横綱の絡むところぐらいは見るようになった。
それが今場所は15時からテレビをつけて、音を消して、
仕事の合間に BGV の代わりに流すようになった。
 
在宅勤務だからというのもあるけど、先日NHK『逆転人生』で見た
照ノ富士どん底からの季節の復活劇に感じ入るものがあって。
支えた奥さんも素晴らしかった。
また大関に戻ってぜひ横綱を目指してほしいなあと応援したくなった。
 
それでこの前の日曜の初日、予定がなかったんで15時過ぎから中継を見てたんだけど、
気になる力士が出てきた。明瀬山という。
十両に上がっては成績不振で下がってまた上がってを繰り返し、2016年に初めて入幕。
これが30歳過ぎてからなのでかなり出遅れている。
この場所は2連勝の後に8連敗で結果4勝11敗と洗礼を受け、
翌場所はさらに星を落として2勝13敗で陥落。
そこから4年かかって再入幕。今、36歳。
まさに中年の星
 
最近の力士たちは体が引き締まってイケメン系も多い中で
彼はタプンタプンのアンコ型で
人の好さがにじみ出ている顔ではあるけど、決してかっこよくはない。
昔の、昭和の時代のお相撲さんという感じ。
 
その彼が今、めっぽう強い。
今日の時点で全勝、6連勝。
重心が重くて揺るがない。
ちょっとやそっとの小兵だとまわしが全く取れない。
昨日の解説の方は「蟻地獄のようだ」と。
一気に押して寄り切るという相撲は取らない。
必ずがっつり四つ相撲となって膠着状態に持ち込んで、
ずるずるずるずると少しずつ明瀬山有利な体勢に持ち込んでいく。
面白い。こういう強さもあるのか。
これが先場所までパッとしていなかった存在とは思えない。
贔屓の力士ができて、今、大相撲中継を見ているのが楽しい。
 
明生が今日負けて一敗。
他は大栄翔のみが6連勝。圧倒的に強い。
三役をどんどん破っている。この勢いで優勝は大栄翔かなー。
明瀬山もいいところまで行ってほしい。
より上位と当たるようになって格の差に直面し、
怖気づくということがないといいが……
 
照ノ富士が現時点で3勝3敗というのが気がかり。