坂戸市、聖天宮へ

昨日のこと。4連休4日目。
新車に乗り換える前に、今の車でもっとあちこちドライブに行っておこうということになる。
どこに行こうか、と探していたら妻が「すごいの見つけた」と iPhone を。
埼玉県坂戸市にある、国内最大級の道教のお宮であるという「聖天宮
それが正式名称なのかホームページやパンフレットには「五千頭の龍が昇る聖天宮」と。
 
からして何百もの細かい黄金細工に覆われて、その上に大きな緑色の極彩色の龍が。
豪華絢爛過ぎて驚く。
ファンタスティックでサイケデリックでエキゾチック。
外国人の観光客も口をあんぐりさせるだろう。
しかもそれが埼玉の普通の田畑の中に建てられているという。
大病を患い、信仰によって救われた台湾の方がお告げを受けてこの地を選んだのだと。
様々なテレビ番組のロケで使われて、
有名なところでは『西遊記』や平成の仮面ライダーシリーズなど。
コスプレイヤー向けの撮影イベントも定期的に開催される。
なんかすごい。これはぜひ見に行ってみよう、となる。
 
洗濯物を干して10時前に家を出る。
新座から川越方面というルート。
途中、志木を過ぎたぐらいで渋滞。
何だろうと見ると、巨大なららぽーと。いつできたのか?
ららぽーと富士見というようだ。
これが下り方面だけではなく、上り方面がもっと長い渋滞。
ブラックホールのように車が入り口に吸い込まれていく。
 
川越が近づいた辺りでどちらともなく腹が減ったという話に。
そんなとき、新座で見かけた「山田うどん」が気になった。
妻が最近よく見かける、この前国立に行ったときに小平で見かけたと。
調べてみたら本店は所沢。埼玉一帯に広げているようだ。
iPhone でメニューを見ていたら食べたくなった。
「パンチ」という名のもつ煮込みが名物らしく、この時期は鍋焼きうどんを提供している。
これは行ってみようと川越の手前の店に入ってみた。
 
11時近く、客の入りはさほどでもなく。
しかし僕らの後でどんどん増えていった。
妻は天ぷらうどんとミニかき揚げ丼。
僕はスタカレー丼(埼玉名物らしい)とミニの赤パンチ丼。
これ、どれもおいしかった。侮れず。
スタカレー丼はどちらかというとひき肉のあんかけ丼かな。
かき揚げ丼は卵でとじている。
カレーうどんや生姜焼きの定食もおいしそうだったな。
あれだけ埼玉にはあるのに、東京23区内には進出していないようだ。
練馬区にもできないかな。
 
川越を過ぎて坂戸市に入る。あちこちで梅が咲いている。
共同印刷明治乳業といった工業団地とその周りに広がる田畑の間に聖天宮があった。
突然金ピカの建物が見えてくるので驚く。
広い駐車場には結構車が停まっていた。家族連れが多かった。
中に入っても敷地が広いのでさほど密にはならず。
 
門番となった狛犬たちの石像。細かな彫刻が施された石柱。
中は朱色に塗られ、床は大理石か、黄金の飾り、青に緑と総天然色。
壁に祀られているのは三清道祖の教えの場面を描いた絵。
台湾のお宮ってこういう感じなんだろうか。
この壁や天井に五千もの龍がいるのか。圧倒される。
鐘楼に上ると屋根に施された龍の細工の細かさに感心する。
どれだけの時間とお金をかけたのだろう。
なのに鐘楼から見えるのは田畑の続く埼玉の風景。
鉄塔銀座と呼びたいぐらいに電線が連なって。
このギャップがすごかった。
 
道教と言うと陰陽思想であって、陽は鐘、陰は太鼓とガイドの方の解説を聞くが、
壁や天井の装飾の情報量が多すぎて右から左に。
左右の鐘楼の片側の壁には赤く細長い布切れに願い事を書いたのが吊るされていた。
休憩所には自販機があって台湾の缶ジュースが入っていた。
僕はマンゴーを体にかぶった牛のイラストの描かれた
マンゴーミルクの缶を一本買ってみた。
 
なんかとんでもないものを見てしまったと妻と興奮。
その勢いで中国料理を食べようと。
車で少し行ったところにある北坂戸駅の駐車場に停めて
西口駅前の中華料理屋「龍門」に入った。
妻はルーローハン。僕は牛肉のテンメンジャン炒めのランチ。
どちらも安くておいしい。地元に根付いた名店なんだろうな。
 
食後、せっかくだからと東口に渡って少し駅前を歩いた。
郊外の鄙びたベッドタウン。都会と言えば川越、というような。
なのになぜかスナック、居酒屋が多かった。
住宅街の中に普通に並んでいる。こんなに割合の多い町は初めて。
地元のパン屋に入ってみるとブラジルのパンが売られていた。
ローマ字で店名を書いた安い居酒屋もいくつかあった。
群馬はブラジルからの移民が多く住む町があると聞いていたけど、
この辺りもそうなのかもしれない。
 
車に乗って帰る。
途中、工場直売の煎餅屋を見つけて安くなった割れ煎をいくつか袋で買う。
来た道を辿るとららぽーと渋滞に巻き込まれるかと帰りは所沢経由で。
夕暮れ前に帰ってくることができてよかった。