先週買ったCD #29:2021/04/26-2021/05/02

2021/04/27: diskunion.net
 
2021/04/27: ヤフオク
David Bowie 「At The Kit Kat Klub (Live New York 99)」 \5350
 
2021/04/28: tower.jp
Ian Matthews 「If You Saw Thro' My Eyes」 \1100
 
2021/04/29: ヤフオク
米米CLUB 「米 ~Best of Best~」 \1980
 
2021/04/30: www.amazon.co.jp
m-flom-flo tour 2001 EXPO EXPO」 \343
 
2021/05/01: diskunion.net
Hadouk Trio 「Air Hadouk」 \780
 
2021/05/01: www.amazon.co.jp
Deficit Des Annees Anterieures 「Les Ambulants」 \4406
 
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僕が The Velvet Underground を最初に聞いたのはいつだっただろう。
2作目の「White Light / White Heat」は
高校時代、青森市のレンタルで借りたように思う。
1作目、アンディ・ウォーホルのバナナジャケでも有名な
The Velvet Underground & Nico」は大学進学で上京してすぐの時に
HMVで買った覚えがある。輸入盤のみの限定盤でナンバリングあり、
オリジナルのレコードのようにシールでできたバナナの皮を剥くことができた。
”All Tomorrow's Parties”が別テイクとなっている。
3作目以後を聞いたのは確実に、上京後。
青森市のレンタルにはなかった。
ロック史に残る裏名盤の類は、ほぼ、置いていなかった。
 
80年代まではまだ知る人ぞ知る存在であって、
ロックの正史における堂々たる存在に位置づけられるようになったのは
90年代に入ってオルタナティヴのルーツとして
一般的にも認識されるようになったからではないか。
ソロになってから低迷していた時期も多かったルー・リード
1989年の名作「New York」で再度脚光を浴びたり、
スターリング・モリソン、モーリン・タッカーの
4人でまさかの再結成といった話題に依るところも大きかっただろう。
 
以来、The Velvet Underground を聞き続けてきた。
その時代時代のロックに最も影響を与えてきたバンドとして
The Doors と The Velvetunderground が両巨頭だろう。
僕はこのふたつのバンドだけは
いろんなアイテムが発売されるたびに買い揃えてきた。
1作目だけでも上記の限定盤、2枚組の deluxe edition や
「Unripened」という初期録音集といくつかバージョンを持っている。
「Live At Matrix」4枚組もロバート・クワイン録音のライヴ音源集3枚組も
ボックスセットの「Peel Slowly & See」5枚組も持っている。
 
今回の 「1969」ライヴ2枚組ももちろん持っていたのだが、
古いマスターのものだったので新装版が出たタイミングで買い直した。
このところ、ルー・リードの紙ジャケを
少しずつ買い集めているということもあり……
 
The Velvet Underground のライヴアルバムは山のようにある。
僕が持っているのは、これまでに挙げてきた以外に
ルー・リード脱退直前の『Live At Max's Kansas City』や
1992年再結成のライヴアルバム、
「White Light / White Heat」 deluxe edition の2枚目など。
なぜか活動末期のダグ・ユール中心の海賊盤もあった。
(間違えて買ってしまい、さすがにそれは売ってしまった)
 
その中でも「1969」が一番まとまりがいいかな。
さすがにジョン・ケールは脱退済み、ダグ・ユールに交代しているが、
”Waiting for the Man”や”I'll Be Your Mirror”といった1作目の代表曲から
4作目に収録されてその後のルー・リードのソロでも歌われた
”Sweet Jane”と”Rock and Roll”まで、
その後の未発表曲集「VU」で陽の目を見た
”I Can't Stand It”  に ”Lisa Says”とベストアルバムに近い選曲というのもいい。
彼らの曲をライヴで聞くなら、これとルー・リードの 『Live In Italy』となるだろう。
 
軽快でもないし、鬼気迫るでもない。
最も安定してライヴを行っていた時期の編成なので
とてもこなれた演奏を聴くことができる。
『Live At Max's Kansas City』のどこかたそがれた雰囲気も悪くはないけど。
 
ちなみに。
ルー・リードの在籍していた4作のうち
どれが好きかというのがファンの間でよく話題になる。
アンディ・ウォーホルがプロデュース、ヴォーカルにニコを加えて最も有名な1作目。
最もギターがうるさく鳴っていて、ジョン・ケールの最終作となった2作目。
名曲”Pale Blue Eyes”の収録されたアコースティックな音作りの3作目。
彼らなりのパワーポップ路線とでもいうか、最近再評価著しい4作目。
僕は2作目の「White Light / White Heat」かなあ。
レコード片面を費やした”Sister Ray”のカオス、カタストロフ。
後半の暴力的なオルガンのソロは何回聞いても背筋がゾクゾクする。
 
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Hadouk Trio 「Air Hadouk」
 
昨年の秋、ピーター・バラカン先生の『テイキング・ストック』という
ディスクガイドを読んでいたときにこのアルバムのことを知る。
21世紀以後の愛聴盤から選んだとあって、2009年の作品だった。
 
先生お薦めのアルバムにはよくあることだけど、
知る人ぞ知る作品が多いので
特に非欧米圏のCDはなかなか入手できない。
国内盤が出ていたかどうかはわからず。
ライスレコード辺りから出てそうだけど、カタログにはなかった。
輸入盤も amazon では1万円ぐらいしてて。
DiskUnion で中古が出るのを気長に待っているうちにようやく、
780円で入手することができた。
 
『テイキング・ストック』の紹介にて
ロッコの弦楽器やアフリカのパーカッションを演奏、
というようなことが書かれていて、
草原に立つ黒人の少年が紙飛行機を飛ばす
というジャケットが美しく、
僕は勝手にアフリカの黒人たちが演奏しているのだとばかり思っていた。
『テイキング・ストック』を読み返し、ジャケットを広げてみると
フランス人2人、アメリカ人1人、3人とも白人という編成だった。
 
しかもサックス奏者のディディエ・マレルブはなんと、
70年代前半の Gong で活動していたようだ。
デヴィッド・アレンやデヴィッド・アレンとも重なる。
 
ベース、ドラム、低音のサックスというシンプルな編成。
たまにキーボードが加わる。
夜霧にむせぶような地味渋なジャズ。
ゆっくりと真夜中の路地裏に漂うような。
アフリカを思わせる音階やリズムが前面に出ることはない。
かといってアメリカやヨーロッパのジャズという感じもしない。
もっとプリミティヴな音楽。
必要最小限のものがあるばかりで、感情というものを超越している。
本当に無国籍の音楽ってこういうのを言うのだろう。
2回、3回と聞くうちに癖になってくる。