練馬駐屯地が近いので
自衛隊のトラックが近くの大通りを通っているのをよく見かける。
深緑色一色の無地の車体、同じ色の幌。迷彩ではない。
幌には側面に正方形の窓がふたつ空いているが、
同じ色の何かで覆いがされていて中を伺うことはできない。
先日見かけたものはどこかに何かを運んだ後で帰っていくようで、
幌の中には何も積んでいなかったように見えた。
ただ緩くチェーンが渡されていた。
ピンと張ってはいなかった。
そういうトラックが2台か3台連なっていることもあれば、
1台だけのこともある。
威圧感はないが、どこかものものしい。
日常の中の異物。
それが練馬の住宅街を普通に走っている。
いや、全国を走っている。
昨年、長野のトンネルの続く辺りを走っている時には
3台ぐらいのトラックのグループをいくつも追い越した。
そのうちの1台は台車のようなものを連結していた。
演習が行われるのか。
あるいは定常的な物資の運搬作業なのか。
あ、あれは自衛隊のトラックだなと見てすぐわかるうちはいい。
いつか普通の貨物運搬用のトラックに偽装されるようになって
見分けがつかなくなったら、
この国はとても危険な方向に向かっているのだろう。
国民に一切知られることなく運びたいものがある。
それが大量にある、ということ。
この半年、行き交うトラックの大半が自衛隊のもの、
という時とどちらが怖いだろう。
その一方で、あの幌の中には
なんて暢気なことも考える。
自衛隊の牛丼やカレーとか。
手榴弾や機関銃が運ばれていることもあるのだろうか。