三浦半島へ その2(油壷マリンパーク)

昼を食べ終えて12時近く。
水族館に入って2階で魚の餌付けを見る。
円形にぐるっと取り囲む水槽の中で大型の
オオジロザメ、レモンザメやノコギリエイがゆっくり泳いでいる。
その周りを小さな魚たちが群がる。
水槽の中に餌を撒くとわちゃわちゃと茶色い煙が巻き上がったかのようなカオスとなる。
その中を悠然とサメが泳いでいる。
永遠にぐるぐると無言で回っている。
 
下の階はメインがサメの展示。
相模湾で捕獲されたという世界最大級のメガマウスシャークの剝製が天井から吊り下げられ、
その消化器や目、ヒレなどのパーツがガラス瓶の中に並べられている。
捕獲当時のドキュメンタリー番組のビデオもモニターから流れていた。
全長5mを超え、体重も1トン以上。本来は深海に住んでいる。
その他、通路にはより小さなサイズのサメの剥製が細長いケースに収められて並んでいた。
口をパックリと開けて、歯並びが鋭い。どれも大胆不敵な面構え。
奥の方には49年という長きに渡って生きるおじいちゃんサメの水槽もあった。
入り口には大人一人が立てるだけの大きなサイズの
上下の歯がぐるっとそろった骨格標本もあった。実在なのかな。
ここ、油壷マリンパークはサメの水族館なのだな。
他、相模湾に生きる魚たちや甲殻類の展示など。
ダイオウイカもあったなあ。初めて見た。これもまたでかい。
 
イルカとアシカのショーを見に行く。
劇場があるというので行ってみるとなかなか大きい。
地下深くへと階段を下りていく。
昔の映画館というか劇場のような。
つくられたときはとても立派だったんだろうなあ。
プールの向こうにお城の絵。油壷城だという。
鎧兜姿のペンギンが殿様となって、という趣向。
家来のアシカと剣術の稽古、尾びれで真剣白刃取り。
イルカたちが天井から吊り下げたボールにジャンプしてタッチ、
フラフープを首にかけて泳いだり、
大きなボールを運んだりといったのは全国変わらずか。
城内の宴ということで、アシカは飼育員のお姉さんのリードで
オルガンを弾くということもした。(曲目は水戸黄門
鍵盤の裏側に立ったお姉さんが棒で鍵盤を示すとそこを口先で押さえる。
これ、アシカもさることながら逆向きになった鍵盤で音程を合わせるという
お姉さんも大変じゃないか。
反対側にはDJブースもあったけど今回は使われず。
一日三回あるうちの他の回ではオルガンの代わりにアシカがDJプレイなのかもしれない。
ヒレでレコードをキュキュッと。
 
続いて、水族館に戻って魚のパフォーマンス。
シマダイの縞七君が小学校で勉強をする、という内容。
天井高くに埋め込まれた6つの水槽は交差点、小学校の校門、
1時間目、2時間目、3時間目の教室、家の近くと分かれていて、
光と色の指示を受けて横断歩道を渡ったり、算数の足し算に答える。
作文のために単語を選んで、体育の時間はせまい輪っかの連なるところを泳ぐ。
足し算の答えは、その答えの書かれたところに紫外線を当てるとのこと。
人間には見えなくても魚には見える。
光ってるときにはこの動作を、この色の時はこの動作を、
と訓練することでパフォーマンスできるようになるとのこと。
 
終わってすかさず次のイベント。
コツメカワウソへの餌やり。
つがいのコツメカワウソのための部屋がいくつかあって、
その中に飼育員が入ってアジなどの魚を与える。
バケツから魚を振り下ろすとジャンプしてバクッと。
尻尾からバクバクバクと少しずつ噛み砕いていく。
うちのみみたがカリカリにがっつくときの本気度合いと一緒。
猫とカワウソは似ているなあ。
餌を食べてないときに悠々と寝そべってる姿が全く同じ。
違いは水の中を泳いで遊ぶことがあるぐらいか。
 
カワウソが魚を食べている水槽の前にベビーカーの中の犬を寄せて、
犬の反応を楽しんでいる人もいた。
自分がもらえるんじゃないかと期待しているみたいだと。
犬を連れた人たち、抱えた人たちはあちこちで会話が弾んでいた。
 
ペンギンの餌やりは見れなかったけど、
プールに囲まれた岩山のイワトビペンギンたちは
僕らが通りがかるたびに眺めてしまった。
岩の上でボケーッと静止していたり、水の中をスイスイ泳いでいたり。
あれなんなんだろうなあ。
群れを成してマネキンのように静止して立っているペンギンたち。
休んでいるのか、何かを楽しんでいるのか。
 
敷地のはずれの方に展望台があって上って入り組んだ入り江を眺める。
沖に釣り船が出ている。
油壷というとヨットハーバー、と思っていたんだけど
マリンスポーツを楽しんでいる光景は見ることができず。
曇り空の平日だからか。
 
三浦半島絶滅危惧種の水生動物や昆虫たちを集めた建物を見た後で
最後、アザラシの餌付け。とにかく図体がでかい。
飼育員の女性が口元に魚を投げるとバクッと飲み込む。
口に合わないのか、一嚙みして真っ二つになってペット吐き出された魚もあった。
 
全部見て回ったら一日じゃ足りないかなあと最初思ってたのが案外そうでもなく。
14時ぐらいにはだいたい一通り見ることができてそろそろ出るか、となった。
こじんまりとしていいる分、ほどよくぶらぶらと楽しめますね。
ここがなくなってしまうのは惜しいなあ。
春や秋にまた来てみたかった、と思った。
 
ショップで青森の甥っ子たちへと体験学習のキットやぬいぐるみを買う。
カワウソのぬいぐるみが立ってるのや寝そべってるのなどいろんなのがある。
胴体に誕生月が刺繍され、日付ごとに色の分かれた浮き輪と
365日分の組み合わせができるというカワウソの小さなぬいぐるみのセットを
妻の分とふたつ買った。
あと、記念のメダル。
昔東京タワーの中にあったような。
ここマリンパークだけの、表面にカワウソ、裏面にイルカのデザインのメダルを買って
80年代からずっと使われてきたかのような
マイコンの画面にてローマ字の名前を入力するとそれが日付と共に打刻される。
コインが400円で打刻が30円。
よくこれが無事に残ってたなあと驚く。
大事に使われて修理を繰り返してきたんだろうな。
何よりもこれがここでの一番の記念になると思った。
 
駐車場を出たのが15時頃。
まだ日も高いし、海を見に行くか、となる。
だったらと城ヶ島に向かうことにした。