20年以上前の年賀状

春先に年賀状の整理を始めたのが
リビングの片隅でほったらかしになっていた。
オリンピックの中継を見ながら続きをやるかと再開した。
高校時代のは青森の家に置いてきたのだろう、
大学生になってからのが手元に残っている。
 
ありがたいことに高校時代から今に至るまで
年賀状を送ってくれる高校時代の友人がいる。
改めて見返してしまった。
 
大学時代は映画サークルの先輩や後輩たちとやり取りしていたが、
それも社会人になってから途絶えた。
奨学金をもらっていた育英会のキャンプで
一緒の班となった人たちからもらった年もあったが、
それもそれっきりとなった。
大学2年の夏、一緒にモスクワの語学短期留学に行った人たちともそうだ。
 
高校の同級生の一部や
大学の寮の先輩や同期とは SNS で今もやり取りしている。
そういうのがあるからわざわざ年賀状までは、というケースもある。
 
そんなふうに大学時代や社会人なり立ての頃の
年賀状を見返しているとたまに
この人誰だっけ? と全く思い出せないのがいくつか出てきた。
何かの出来事で出会った人なのだろう。
そういう方に限って、裏面を見ても干支の絵だけだったりして
全く手がかりがつかめない。
名前と住所だけ。
これが青森だったりするとなんとなくわかりそうなものだが、
東京周辺だとさっぱり。
 
その方に手紙を送り、
「これこれこういうときに年賀以上を頂いたのですが、
 私のことを覚えていますでしょうか?」
と問い合わせてみても向こうの方も忘れているんじゃないか。
そもそも届かずに戻ってくるかもしれない。
 
もし僕が今不慮の事故で亡くなったとき、
過去の年賀状をもとにこの方にも連絡が行くんだろうな、
それも困るだろうな、ということも思った。
こういう年賀状を破り捨てるわけにもいかないし。
 
それはそうと。
年によっては頂いた年賀状を輪ゴムでまとめていた。
その時には何も考えずにしたことだけど、
20年以上経過すると輪ゴムって駄目になってるものなんですね。
夏の暑さを繰り返すうちに溶けるのか、
ことごとく年賀状に貼りついていた。
はがそうにもボロボロできれいにできず、
輪ゴムの色が線になって残ったまま。
しかも2枚の年賀状の狭間にあってくっついてしまうことも。
それをそっと引きはがすも、べりっと破れてしまったり。
頂いた方になんだか申し訳ないことをしてしまった。