グレートトラバース3

『にっぽん縦断 こころ旅』がお休みの間は
朝起きて NHK BS3 の 19:45 の時間帯は
『グレートトラバース3 日本三百名山全山人力踏破』の15分版を見ている。
その名の通り、日本山岳会が定めた三百名山(実際には三百一)を
交通機関は利用せず自力で踏破する。
山のない箇所は地道に徒歩で何日もかけて進み、海はカヤックを漕ぐ。
そうは言っても要は山登るだけでしょ?
と僕も最初思っていた。
しかし見ていてそれがどんな大変なことかわかってきた。
100km超のウルトラマラソンを何百日もかけて山登りのスピードでやっている、
ということなのだ。総距離は1万キロにも及ぶ。雪山もある。
 
挑むのは「プロアドベンチャーレーサー」の田中陽希。
NHK BS3 でたまに国際大会の中継をやってるけど、
チームを組んで数日かけてアップダウンの多い過酷な山道を駆け抜けるあれですね。
彼のキャラクターがいいんですよね。
もちろん山を登るということにおいてはしっかりしてるんだけど、
時折垣間見せる素顔がお茶目。
日に焼けたつるつる頭のタコ入道のようでいて、天然でどこか乙女、純真。
 
この再放送もちょうど半分ぐらい来たことになるのか。
先週は中央アルプスで、今週は南アルプスの山を登っている。
岩山だらけの険しい山もあれば、緑の中をなだらかに進んで行ける山もある。
その田中陽希が一人きり重いザックを背負い、
両手にストックを握り締めて登り詰める様子をカメラは捉える。
ぴったりと密着して、ときにはドローンを使って上空から俯瞰して。
 
見てていつも気になっていたのは、これ、カメラマンも大変だなと。
山道を登る田中陽希を正面から捉える映像だと
カメラマンは後ろ向きに登って行ってることになる。
昨日か一昨日か、トレーニングのため山道を走りだしたのもしっかりついていく。
田中陽希がストックを使って登るところもカメラマンはカメラを手にしている。
NHK のプロフェッショナルなカメラマンも行くところまで行くとすごいなと思っていた。
 
それを昨日、気になって番組のサイト、グレートトラバース3自体のサイトと
あれこれ見ていたら、Wikipedia にて
先輩のアドベンチャーレーサーたちがカメラマンとして同行している、
というようなことが書かれていた。
ああ、そういうことなのか。だからあの映像が撮れるのか。
 
読んでいた時にふと気づく。
グレートトラバース3は「2021年8月に達成」という記載があった。
え? 今日は4日で昨日は3日。
ということは達成したばかり!?
調べたらちょうど2日、三百一座目、利尻島利尻富士を登ったばかりだった。
そうか、そうだったのか。
2018年にスタート、昨年はコロナ禍での中断もあった。
今年になって再開、足掛け3年となった。
中断している間はただ待つだけ、他にできることもなく辛かっただろうな。
 
達成したばかりで次はどうするんだろう?
と考えるのは気が早いけど、いや、ほんと。
国内の山は制覇したし。
海外なのだろうか。しかし当面それも難しい。
彼ももうすぐ40歳。新しい冒険をどこに探すのか。