オリンピックを振り返る番組

昨晩のNHK『サラメシ』はとてもいい企画だった。
1時間ちょいの拡大版で、
オリンピックの舞台裏で活躍された方のランチを紹介するというものだった。
車椅子ラグビーのコーチ、柔道の審判員、スポーツクライミングのルートセッター……
普段スポットライトの当たることのない縁の下の力持ちを紹介する。
それを昼飯を通して、というのがいい。
その人の好みや人間性、生い立ちがはっきり現れるし、
7人制ラグビーのヘッドコーチのように
忙しくてゆっくり食べている時間が取れないといった状況も伝わってくる。
スケートボードの監督の方の場合は撮影の日にたまたま息子夫婦が入籍して、
 3人で馴染みの居酒屋に食べに行くというサプライズがあった)
 
オリンピックを振り返る番組として、あるべき姿はこれだな、と思った。
先週は終わったばかりで、民放でいくつか放送された
メダリストをひな壇風に座らせて、映像を交えながら芸能人とトークするというのを見た。
正直、僕もタイミングが合えば見る。
ああ、そういう裏話があったんだというのを聞くのは面白いし、
女子バスケのエブリンのような明るいキャラクターに出会うのも楽しい。
 
でも、もやもやする。
どの局の番組も司会とタレントとゲストに出てくれたメダリストの組み合わせが違うだけで
たいして内容が変わらないというのは安易に感じる。
(それはもちろんメダリストの側が頑張ることではなく、テレビ局の企画力の問題)
そもそもメダルを逃した選手への気遣い、配慮であるとか。
内村航平の母親にインタビューしている番組もあったが、ぞっとして見なかった。
思考が停止しているのはテレビ局なのか、それを見る国民の側なのか。
 
閉幕式の翌日、日テレが生放送でそういう番組をやっていた。
本当はくりぃむしちゅーの上田が司会のはずがコロナ感染で映像での登場のみ。
有田が司会となるも全体的に苦しかった。
最後はメダルを噛ませてくださいというジョークを繰り出す。
苦し紛れなんだろうけど、あれは様々な誤解を生む。
そこまでして生放送でやらなければいけない意義って何だろうか。
どの局よりも早くやることで視聴率を、ということならばなんだかとても歪んでいる。
卓球、女子バスケ、サーフィン、スポーツクライミング、柔道の選手が出ていたか。
一方で、彼ら彼女たちは場をわきまえたきちんとした受け答えだった。
余裕があれば笑いを取るけど、無理はしない。
 
一週間が経過して
そういったオリンピックの番組もいつのまにか消えていくのだろう。
サラメシでは今回紹介しきれなかった、
大会組織委員会の方々のランチをいずれ取り上げるという。