幽霊とは

昨晩、3時過ぎか。
みみたが機嫌悪くなって、布団から追い出されてリビングのソファーへ。
毛布をかぶって寝ようとする。
ふと、鈴が鳴っている音に気付く。
室内ではなく家の外のどこか。しかしそれがどこなのかはっきりしない。
どこかくぐもったような音。大きくはない。かすかに聞こえる。
なんでこんな時間に、こんな音が……
眠いけど、夢うつつというわけではない。目が覚めている。
 
しばらくして音は消えた。
この夏、休みの日は『新耳袋』や『山怪』のシリーズを読み漁っていたので
その手のことを考える。
……幽霊?
 
30冊ぐらい読んで、僕としてはひとつの見解に至った。
幽霊というのは物理的に存在しているものを見ているのではなく、
幻覚や幻聴、その他五感に訴えかけるイメージの表れなのだと。
それを引き起こしているのが、幽霊となる。
つまり、幽霊そのものを見ているのではなく、
幽霊が脳に働きかけているものを見ている。
 
だから人魂の目撃談で
ある人は赤かったと言い、ある人は青かったと言う。
波長の合う合わないでその場に複数の人がいても
ある人には見えて、ある人には見えないということになる。
修験者が厳しい修行を経て
霊的なものの存在を身近に感じるようになるというのも
そういうことなのだと思う。
 
では昨晩、僕に働きかけてきたものはいったいなんだろう?
いや、そのために明日もその時間帯に起きる気はなく。
おおかた隣の家の誰かの携帯が鳴ったのだろう。