午後休の日

8月から徐々に忙しくなって10月がピークにあった。
定時だしそろそろ上がるか、なんて言っていたのが遠い昔のよう。
週の半分は21時、22時まで仕事している。
19時に終えられると、ああ、早いな、という。
夕飯を用意している時間もなく、
土日に鍋でカレーやクリームシチューや豚汁をつくって温めて食べるという毎日。
 
どんどん打ち合わせで埋まっていく。その準備とまとめで一日が終わる。
なんなら忙しい人たちのスケジュールを並べてにらめっこをして
なんとか隙間を見つけて打ち合わせをセッティングもする。
それも少し峠を超えたか。あくまで、少し。
気が付いたら今日の午後は珍しく打ち合わせがない。
ああ、もうだったらと急遽休みを取ることにした。
 
とはいえやることはいくらでもあるので午前中は雑用を片付けて午後休へ。
交通費の精算だとか催促されていたeラーニングの受講とか
社内の打合せの日程再調整とか。その間相談事も teams に来て答えるとか。
あーキリがないと12時にPCを落とし、みみたにカリカリを出して外出。
 
妻に頼まれていた本を図書館に返しに行く。
気が付けば公園の木々も紅葉して、落ち葉が溜まっている。
ついこの間まで夏だと思っていたのに。
木曜の昼だというのに、広場にはスケボーの練習をする若者たち。
フリーターなのだろうか。けっこういる。
 
大江戸線の中で吉祥寺の古本屋『百年』で買ったフィンランドの作家
レーナ・クルーンの『スフィンクスか、ロボットか』という作品集の続きを読む。
少女が主人公の、素朴な、不思議な手触りの日常生活を描く。
読んでいるうちに寝てしまう。
 
紀伊国屋書店横の DiskUnion で CD の買取りを。
預けて新宿御苑方面へ。
妻の会社が最近引っ越して、その近所で昼を食べている。
その話を聞いているとどこもおいしそうで。
待ち合わせて一緒に食べることにした。
 
その前に、この日唯一の打合せ。
週末のイベントのタスク確認。
通りがかった新宿二丁目の公園のベンチに座って iPhone から teams の会議につなぐ。
13時半。日差しが強く、Tシャツ1枚でもいいぐらい。
来ていたジャケットを脱ごうかとして、ハッと気づく。
ここは新宿二丁目
もそもそとコンビニ弁当を食べているサラリーマンが大変だが、
残り半分のこの手持ち無沙汰な男性たちは何のためにここにいるんだろう?
妻に、この公園にいると地図のキャプチャを送ると
「ゲイのハッテン場」だと返ってきた。
そんな中、あのタスクは終わった、明日の打合せであれを確認すると小声でやりとりする。
こんなふうに会議ができるようになるなんて20年前には思いもよらなかった。
 
花園通りを歩く。飲食店が多い。
あー、この中華料理屋は妻がおいしいと言っていたところだなとか
思い出しながら歩いていたら、曲がるべきところを行きすぎてしまった。
慌てて引き返して靖国通りに出る。
この日は『コバヤ』という洋食屋へ。
ものすごく大きなメンチカツにはドミグラスソースがかかっている。
カニクリームコロッケも追加した。妻は魚のフライ。こちらも大ぶりだった。
年配の夫婦の営む、気取ったところのない市井の洋食屋。
ほどがよく、仕事が丁寧。おいしかったなあ。また来よう。
 
思いがけずライスをおかわりしてしまっておなかいっぱい。
腹ごなしの散歩がてら、妻の会社の近くを散歩して
おいしかった店、気になる店のいくつかを教えてもらう。
 
また新宿まで歩いて行って、DiskUnion で買い取った金額の受け取り。
今日の往復と昼めし台にはなった。
DiskUnion の店舗をいくつか回ったが、何も買わず我慢する。
大江戸線に乗って帰ってくる。やはり寝てしまった。
妻に頼まれた本を図書館に取りに行って帰ってきた。
腹いっぱいなのが続いていて、夜は何も食べない予定。