先週買ったCD #62:2021/12/13-2021/12/19

2021/12/13: www.hmv.co.jp
Billy Joel 「Songs In The Attic」 \1683
Billy Joel 「Stranger 40th Anniversary Edition」 \4675
Billy Joel 「52nd Street 40th Anniversary Edition」 \4207
 
2021/12/13: ヤフオク
The Doors 「Live At The Boul '68」 \1000
 
2021/12/14: ヤフオク
No Doubt 「Return of Saturn」 \1200
 
2021/12/14: diskunion.net
(Soundtracks) 「猿の惑星」 \1250
Millennium 「Begin」 \800
 
2021/12/14: www.amazon.co.jp
Alive! 「Alive!」 \449
 
2021/12/15: www.amazon.co.jp
(Soundtracks) 「magnolia」 \449
※先日購入した商品に不備があったので買い直し
 
2021/12/16: www.amazon.co.jp
Tears For Fears 「Live At Massey Hall Tronto, Canada / 1985」 \1180
 
2021/12/16: tower.jp
忌野清志郎 「KING Deluxe Edition」 \3600
Lucinda Williams 「Lu's Jukebox vol.5 Have Yourself A Rockin' Little Christmas」 \2640
The Specials 「Protest Songs 1924-2012」 \2421
THE THE 「The Comeback Special」 \2871
 
2021/12/16: www.hmv.co.jp
四人囃子 「Dance in Matinee」 \6072
David Bowie 「The Width of Circle」 \3542
Black Sabbath 「Vol.4 Super Deluxe Edition」 \11132
Notos Quartett 「Brahms The Schonberg Effect」 \2860
 
2021/12/17: DiskUnion 新宿ソウルダンスミュージックショップ
Prince 「Batman」 \480
電気グルーヴ 「KARATEKA」 \339
 
2021/12/17: BOOKOFF 新宿駅西口店
電気グルーヴFLASH PAPA」 \410
 
2021/12/17: www.amazon.co.jp
The Parade 「The Parade」 \1930
(Soundtracks) 「Tango」 \700
 
2021/12/17: diskunion.net
Cluster 「Sowiesoso」 \3550
James Brown 「Sex Machine」 \1601
The Jam 「Dig The New Breed」 \3050
 
2021/12/17: www.hmv.co.jp
チャットモンチー 「共鳴 Forever Edition」 \3441
Julian Cope 「20 Mothers」 \495
Van Halen 「OU812」 \1188
 
2021/12/17: diskunion.net
Pink Cloud 「Plant Blend」 \1300
工藤冬里 「徘徊老人 その他」 \1300
Van Halen 「5150」 \1200
Emerson, Lake & PalmerEmerson, Lake & Palmer: 2CD Deluxe Edition」 \1900
 
2021/12/18: diskunion.net
Sanullim 「Sanullim 3」 \2050
 
2021/12/19: diskunion.net
BEYONDS 「The World Changed Into Sunday Afternoon」  \1700
Carole King 「The Carnegie Hall Concert, June 18, 1971」 \880
 
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The Doors 「Live At The Boul '68」
 
The Doors の魅力を一言で言うならば
ヴォーカルのジム・モリソンのキャラクター、パフォーマー、詩人としての魅力。
それを支えるレイ・マンザレクらの音楽性の高さということになるか。
 
狂気、退廃、寂寥、暴力、孤独、背徳、官能、混沌……
世間的には否定的に捉えられる言葉が
ロックの世界では反転して肯定的に捉えられるというとき、
The Doors はそれを古今東西のどのグループよりも体現した。
(これらの言葉が元々はブルーズという音楽が内包するものだから、ということもある。
 The Doors は本質的にはブルーズ・バンドだった。
 サイケデリックという時代の潮流を敏感に捉え、
 レイ・マンザレクのクラシックの素養、
 ロビー・クリーガーのポップセンスが音楽性を広げた)
 
しかも単なる狂気、退廃、寂寥ではなく
知性を分母に置いての、というただし書きがついた。
無学な田舎の若者の暴力ではなく、
洗練された都会の若者が内に抱えた暴力。孤独。背徳。
人気になるのは当然だった。
それがジム・モリソンの声、バックの演奏に滲み出ている。
隙間の多い楽曲の行間から泉のように湧き出す。
それが ”Light My Fire”であり、”The End” であり、
”When The Music's Over” といった代表曲となった。
 
1967年にデビュー。1971年、27歳の若さで謎の死を遂げる。
ジム・モリソン在籍時のアルバムはエレクトラレーベルにて6枚。
死後発表された、ジム・モリソンが残した詩の朗読に
後から演奏を足した「An American Prayer」を加えても7枚。
ベストアルバムは公のものが最低でも4種類は存在する。
未発表曲を収録したボックスセットや
〇周年記念デラックスエディションは今も発売され続けているが、
オリジナルアルバムの扱いに昇格した発表曲集はなく、
今後も発表されることはないだろう。
スタジオアルバムとしてのこの7枚は揺るがない。
 
その反動だからか、ライヴアルバムはかなりの数がある。
生前には「Absolutely Live」が発表され、
80年代には「Alive, She Cried」や「Live At The Hollywood Bowl」が続いた。
90年代初めにはそれらの編集盤「In Concert」が決定版となった。
エレクトラから出たものとして、これらが公式のライヴアルバムということになる。
 
他、準公式として RhinoThe Doors 直系の
Bright Midnight Records から2000年よりリリースされるようになった
ライヴアルバムのシリーズがある。
北米各地でのステージを収めたもので、10作近くある。
その大半が1970年となる。
持ってなかった中ではこの 「Live At The Boul '68」 を今回取り寄せてみた。
80年代の「Live At The Hollywood Bowl」の拡大版となる。
今回いくつか聞き直した中ではこの 「Live At The Boul '68」 が一番よかったな。
 
1970年のライヴアルバムはよく言われているように当たり外れが大きい。
シンガー、表現者としての自分を使い果たしたのか、
それともただ単に酩酊しているだけなのか。
今聞いてる『Live In Boston』の夜の公演は
ジム・モリソンのヴォーカルがモゴモゴと酔っぱらいのたわごとのように聞こえる。
バックの演奏がこの頃最も脂が乗ってるのでようやく聞ける、というような。
置いてけぼりになりそうなのをバンドの方でジムを迎えに行っていて、切ない。
 
「Live At The Boul '68」 はタイトルにあるように1968年なのでそのようなこともなく。
The Doors 一丸となって集中力の高い、煽情的な演奏を畳みかける。
ジム・モリソンの声もヌメヌメとした生命力で漲っている。
Light My Fire” も ”The End” も ”When The Music's Over” も別の曲となって
知覚の扉の向こう側を垣間見せてくれる。
 
1967年の演奏では唯一上記のシリーズで発表された「Live At Matrix」や
1970年屈指の名演とされる「Live In Detroit」をまだ聞いてないけど
(後者は今、amazonで2万近い値段がついている)
何か1枚 The Doors のライヴアルバムというと僕はこの 「Live At The Boul '68」かな。
あとは 「Live In Concert」があればいい。
 
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Tears For Fears 「Live At Massey Hall Tronto, Canada / 1985」
 
先日、「Live At Knebworth 1980」について書いた時に
Tears For Fears のライヴアルバム出ないかな、と思ったんだけど、
amazon を検索していたら出てきた。
「Live At Massey Hall Tronto, Canada / 1985」
しかし、このアルバムの名前を聞いたことがなかった。
 
タワレコでは今年の RECORD STORE DAY の対象商品となっていた。
アナログレコードがメインなんだろうけど、CD版も一緒に発売されていた。
そうか、限定盤だったんだな。
 
RECORD STORE DAY はいつから始まったのか。
ここ5年ぐらいで定着したという印象がある。
売店、レコード会社、アーティスト、リスナーのゆるい結びつきの、
自主的なお祭りというか。
海外だと4月と11月なのかな。
日本だと6月だったのが、最近は7月と2回に分けて
RECORD STORE DAY 限定の7inch / 12 inch シングルや LP を発売する。
限定のジャケット、ピクチャーディスク、重量盤、もちろん、ここでしか聞けない未発表音源など。
ほんとマニア泣かせ。お金がいくらあっても足りない。
 
網羅した商品サイトというものはなく、
それぞれが小売店のサイトにアクセスするか足を運んでチラシを入手して
その年入荷する商品をチェックしないといけない。
DiskUnion / HMV / タワレコのサイトでだいたいはわかるものの、
HMV が扱う商品と DiskUnion の扱う商品が完全に一緒という保証はない。
レコードは手を出さない、CDだけと決めている僕は逆に、
この時期に限定盤を出す大物アーティストの新譜をチェックするという形で入手する。
David Bowie なんかがそうですね。
そんなふうにしていると見逃してしまうものも多い。
それが楽しくも悩ましくもある。
買いそびれた作品にプレミアがついているのを知るとかなり悔しい。
 
ヴォーカル、ギターのローランド・オーザバルと
ヴォーカル、ベースのカート・スミスの2人組のユニット。
1983年の「The Hurting」でデビュー。
1985年の「Songs From The Big Chair」
1989年の「The Seeds Of Love」と作品を発表するも、
先述の1990年のネブワースに出演した直後にカート・スミスが脱退。
しばらくはローランド・オーザバルのソロユニットとなる。
21世紀に入ってから再結成、ライヴ活動を再開し、
年明けには実に17年ぶりの新作「The Tipping Point」も発表される。
 
CMで使われた ”Shout” や
80年代コンピによく収録される ”Everybody Wants To Rule The World”
映画『ドニ―・ダーコ』のエンドクレジットで流れた ”Mad World”
など優れた曲が多い。
聞けばすぐわかる、Tears For Fears ならではの肌触りのよい、包み込むような音。
それでいてアルバムごとにカラーが異なる。
モノトーンから徐々にカラフルな色合いに開かれていく。
ソングライティングの能力の高さだけではなく、構想力の高さが伺える。
 
当時の rockin'on を読むと『無菌室の子供たち』という表現が使われていた。
繊細で、内向的。誰も触れない、2人だけの国。
このライヴアルバムを聞いてそのイメージが覆された。
1990年のネブワースが大所帯のしっかりした演奏だった。
大御所の集まるフェスだし、
3枚目を出してベテランの域に達したからかと思ってたんだけど、
2枚目を出した1985年の時点でも
同じようにきちんとした肉体性のあるステージだった。
キーボード、ドラム、サックスとバックメンバーは必要最小限の構成でも
音の厚みを感じさせて、骨格が揺るがない。
彼らのプロ意識のなせる業か。
この時期のいわゆるニューウェーヴのバンドの中で
ここまでの演奏力を求めた、演奏力のあったバンドは他にないのでは。
 
同じくネブワース1990に登場した Dire Straits もそうだけど、
彼らは出てきたのがニューウェーヴの時期だったというだけで
本格派の流れを組むグループだったのだろう。
だから、世代が全く違うのにあのネブワース1990の中にあって何の違和感もなかった。