ウルトラセブンの再放送を見る。
午前様となってタクシーで帰ってきたサラリーマンが
マンモス団地の自分の家に帰ってくると
妻と子供から「あなた誰?」ということに。
宇宙人に乗っ取られていた。
小さい頃、四次元とか超能力とかUFOとか
そういう本ばかり読んでいた僕は
毎朝小学校に行くとき、異次元に迷い込んでクラスメイトが見知らぬ人たちに入れ替わっていたら
ということを考えてビクビクしていた。
いつかそんな日が来るんじゃないか。
それが今日じゃないか。
内に閉じこもりがちで人と話すことが苦手だったことの裏返しだろう。
周りのクラスメイトに自分から話しかけることができない。
今日も一人、ポツンとしてしまうのではないか。
そのことを直接考えるのは怖すぎるので、すり替えてしまう。
もちろん今はそんなことを考えることもない。
毎日毎日リアルな人間たちに囲まれて生活している。
それが変わることはない。ありえない。
日常というレールが前にも後ろにも伸びている。永遠に伸びている。
そのことに気づくとき、それが憂鬱になるという人もいる。
僕はそのことを考えないようにしている。
ウルトラマンシリーズの脚本家たちもそのことが頭の片隅にあるんだろうな。
ウルトラQの最終話「あけてくれ!」であるとか。
モロボシダンがアパートに帰るとメトロン星人が茶の間に胡坐をかいて待っている。
第四惑星の話もそうだな。
パラレルワールドはふとした先に、いくつもいくつも広がっている。
そこに落ちて帰れなくなった人も恐らく、いる。
何も変わらないのに、そう思い込んで絶望的な日々を送っている人もいるだろう。
そんなことを考えながら今日という日常を生きる。