養老渓谷の温泉へ その1

僕の仕事がひと区切り、妻の編集学校のロールもひと段落となって
この土日温泉宿に泊まろうということになる。
しかし行こうと決めたのが2週間ほど前で、館山のいつもの宿は空室なし。
まん延防止が出てるので控えるということはないんだなあ。
そういう僕らも行こうとするわけですが。
房総半島の真ん中、養老渓谷の温泉を見つけて今回は初めてそこへ。
室内に露天風呂があるのにさほど高額ではなく、一室のみ空きありだった。
 
ペットシッターさんが来るので家の中を片付けて9時過ぎに家を出る。
ガソリンを入れて山手通りを中井、東中野中野坂上と行く。
富ヶ谷の辺りで首都高に入った。
アクアラインに入って海ほたるを経由して木更津の先へというルート。
まあすぐ抜けるかなと思いきや、
羽田空港の辺りで玉突きの事故もあって
これまで出会ったことのないほどの渋滞。
 
全然進まず。残り2kmまで来たところでどうにも我慢できなくなり、
最後1kmまで来たところでギブアップ。漏らしてしまう。
駐車場に停めて呆然自失となっているところを
妻がテキパキと対処してくれる。
トイレと何往復もしてタオルをお湯で洗って
まずは僕のジーパンのお尻を拭いて、次はシートを。
敷いていたクッションはごみ袋に入れて捨てることにする。
 
旅の全てが台無し。
シートにゴミ袋と新しいタオルを敷いてとりあえず海ほたるを出る。
そのまま昼を食べに行ったり宿に行くわけにはいかないとナビにユニクロを入れる。
我慢できなくなった時にトンネルの中で立ちションしようかと考えるもそんなの無理だよな。
トンネルの中を走って出口を探すのも現実的ではない。
ダメだダメだもう漏らすしかないと0か1で考えていた僕と
ダメならダメで被害を最小限に抑えるべき、その努力をすべき、という妻との間で
険悪なことになる。妻が怒るのもしょうがない。
 
木更津のユニクロを見付けて入る。
チノパンがいいかと思うも、サイズが合わないときに何枚も試すわけにはいかないと
サイズを知っているスエットのパンツにする。
試着室でトランクスも履き替えた。
 
気分が少しマシになったところで今回目当てにしていた店へ。
木更津郊外の洋食屋、「レストランよこた」
鄙びた住宅街の中にある。
食べログで見ていたら相当混む、待たされるようだ。
13時に着いて満席。皆車で来ていて駐車場に空きがない。
店の人に聞くと向かいの郵便局が休みなのでそこに停めていいという。
僕の前は一組だったけど、しばらく待たされてようやく中に入る。
しかし横ふたつのテーブルがまだ料理が届いていないのを見て、絶望的な気分になる。
どうもマスター一人が調理を担当していて相当時間がかかるようだ。
しかも僕の前に入ってきた人たちの調理が終わったところでマスターはどこかに消えた。
休憩に入ったようだ。それが5分、10分の長さではなく。
結局料理が届いたのは14時近く。
うーん、なんだかなあと思いつつも
僕の頼んだカツカレーも妻の頼んだメンチカツも絶品だった。
全てがチャラになるぐらい。これだけうまかったら仕方ないか。
また南房総、館山に泊まりに行くときに入って他のメニューを食べてみたいが、
平日に来るか開店の時間に来て並ぶか。
 
セブンイレブンで酒を買い込んで宿を目指す。
山深い村に入っていく。
小湊鉄道の線路が見える。もちろん単線。
春から秋までトロッコ列車が運行されるという。
養老渓谷駅の慎ましい駅舎、養老渓谷の入り口を過ぎてさらにウネウネと進むうちに
目指す宿が見えてきた。
粟又の滝の前にある。
 
チェックインして部屋に入る。
畳の部屋の隣に外に面して露天風呂と洗い場の部屋が。
お湯が流れて湯気が上がっている。
その向こうには雑木林が。
いい眺めだなあと思う間もなく、
ジーパン、トランクス、タオル、クッションなどを隅の洗い場で洗って干す。
 
気を取り直して、粟又の滝、宿の提携施設の日帰り温泉へと向かうことにする。