DXとは

仕事も落ち着いて、空きの時間も増えた。
今週後半は主にDXと経営戦略といった内容の動画配信の研修を受講して過ごした。
元『Wired』編集長のケヴィン・ケリーによる
『インターネットの次に来るもの 未来を決める12の法則』という本も読んだ。
両者を並行して進めて、ようやく、DXとはなんなのかというのが腹落ちしてきた。
かなり今更ではあるが……
 
DX とは Digital Transformation のこと。
単なるデジタル化だったらIT化と何が違うのか?
言い換えてごまかしただけじゃないか。
そこのところがずっとモヤモヤしていた。
 
話題になった『アフターデジタル』を読むと
リアルとデジタルが融合どころか、
リアルはデジタルに取り込まれチャネルのひとつにすぎなくなる
というところに、なるほど、と思った。
 
事業部の DX検討の分科会で他部門の部長の方から
DXとはデジタルによって経済圏、エコシステムを変えること
と考えていると聞いてそれも、なるほどと思った。
 
しかし、一方でいわゆる『2025年の崖』と呼ばれる
COBOL などで開発されたレガシーな基幹システムを刷新しないといけない
みたいな話もあって、それって重要は重要であるけど
なんか次元が違いすぎないか?? と。
 
今回の動画研修で講師の方が冒頭で語った、
「DXとは単なるデジタルの導入ではなく、その企業がデジタルを強みにすることです」
というところで、あ、そうか! そういうことか! と膝を打った。
強み、か。
 
強みということは選択と集中を行うことになる。
この企業はこの領域に特化する。そこが売りになる。他社との差別化要素となる。
しかし、その領域を選んで人的資源を投入したことで他の領域は切り捨ててしまっている。
このとき、外的/内的な機会/脅威によって
他の領域に手を広げる、移動することを迫られても容易には動けない。
(例:GAFAなど海外のプラットフォームビジネスが迫ってくるとか)
多くの企業がここで頭を悩ませている。
 
新しい小売の形態を開拓することであれ、
COBOLレガシーシステムを置き換えるのであれ、
断絶を乗り越えるには
人的資源の再配置や再教育であったり、
流通経路や顧客接点の刷新といった思い切った施策が必要となる。
それを成功させることでその企業の強みにすることができる。
 
その手段が IoT なのか AI なのか XR なのか、
あるいはそのリミックスなのかは問わず、
デジタルであるならば DX ということになる。
その多くはインターネットがこの世界を覆うことで
爆発的に増えたデジタルデータをどううまく活用するか。
大事なのはそれはあくまで手段であって、目的ではないということ。
 
この課題解決、そこから生まれる価値の最大化は
デジタルに限った話ではなく、
共通の目的を持った組織というものが
長いスパンで活動してきて問題にぶち当たり、改善を求められたならば
いつでも起きてきたこと。
100年前、200年前の社会にもいくらでもあっただろう。
今はその多くがデジタルなのだ、ということ。
 
100年後にはもっと全然違うものになっているかもしれない。
リアルはデジタルデータの双子と共生するのが当たり前になって、
デジタルとアナログを止揚したもっと別な考え方が生まれているかもしれない。
 
わかってしまうと簡単なことだったな。
なんで一年以上もかかったのだろう……