高校野球のその後

昨日、妻の運転する車で島忠へ。
途中に小学校がある。
グラウンドで小さな子供たちが野球を教えてもらっている。
ユニフォームを着た大人が近くからそっとボールを投げて、
小さなユニフォームを着た男の子がバットを振って空振りする。
もう少し大きくなるとノックを受けて守備の練習をしている。
指導役の男性の一人が敷地の外に出て、タバコを吸っていた。
 
甲子園ではセンバツの準決勝。プロ野球も始まった。
高校時代野球部で、朝練に放課後も暗くなるまで。
甲子園出場を目指すも県大会はベスト8。
人によっては大学に進んでからも続けたかもしれない。
草野球を楽しむようになったかもしれない。
それで今、子供たちに野球を教えているという人が
全国に大勢いるんだろうなということを思う。
 
高校の同級生で硬式野球部だった奴らは
その後どうしているのだろう?
数年前、同窓会の総会の幹事学年だった時、
大勢集まった中では一人、二人しか顔を合せなかったような気がする。
高校時代、彼らは特別な存在だった。
一番厳しい、一番時間を拘束される部活動だった。
丸刈りで礼儀正しさも求められた。
土日も普通に練習試合が組まれていた。
県大会などの公式試合は平日だったので、堂々と休んでいた。
泥まみれになったユニフォームをよく覚えている。
 
進学校、ということもあったけど彼らはその後、野球を続けただろうか。
僕らの代はベスト4まで進んでそこで負けた。
準決勝ということもあってさすがに僕ら一般の生徒も休講になって
県営球場に応援に行った。
皆でもじもじしながら校歌を歌った。
相手がどこだったかは覚えていない。
青森山田光星学院ではなかったが、強豪校だったはずだ。
リードする局面もあったが、点差が開いて負けた。
 
彼らの夏が終わって、髪を伸ばし、受験勉強に入った。
それでもやはり彼らは何か違っていた。
3年間の大半を野球に、野球の練習に、捧げていた。
それをやり遂げた人たちというのは
僕らなんとなく放課後遊んでいただけのぼんくら学生とは違っていた。
そんな彼らのうちの何人が、野球を続けただろう。