医療機関のDXを考える

職業柄、プライベートであっても時々、このシステムなんとかならんかと考えることがある。
先週末、妻の付き添いで北区の病院へ。
どこか古くさい感じはあったが落ち着いた雰囲気で悪くはなかった。
妻に話を聞くと診療された先生も感じがよかったという。
 
しかし、受付がなぜか入り口のところとその奥の総合窓口のようなところと2回。
初診だからだろうか。だとしてもオペレーションとしてはひとつにできそう。
妻はそれぞれで紙の書類を記入して提出した。
検査や診察が終わって、支払いの際も窓口へ。まあこれは仕方ないか。
これは少し待たされた。
 
僕が経過観察のために定期的に訪れる病院の場合、
再診だと診察券をあちこちに設置された受付機に読み取らせる。
その日のメニュー(例:血液検査→CTスキャン→医師の診察)がプリントアウトされる。
それぞれの診療科に到着するたびに診察券を受付機に読み取らせて到着を伝える。
全て終わると会計の窓口に向かうが、診察券を渡して最低限の確認を行うと
あとは窓口の横に並んだ ATMのような支払機へ。時間がほとんどかからない。
 
こちらの方がスマートだが、でもこれもゆくゆくは診察券自体不要となるだろう。
スマホにアプリを入れたら全て自動でチェックインとなって、その日のメニューも表示される。
会計・支払いも自動的になされて結果だけが通知される。
でも、費用対効果がいまいちで相当大きな病院でないとやらないか。
(若者は取り入れてくれるけど、高齢者が切り替えてくれなくて従来の仕組みが残るとか)
アメリカの進んだ病院なら取り組むかもしれない。
 
今の日本の医療現場の構造だと大病院ごとにアプリを入れることになって
それはそれで不便だろう。
かかりつけの大病院をふっつもみっつも、という人はそんなにいないとはいえ。
全国で統一して使えるアプリとなると実現はかなり難しい。
そもそも病院ごとに診察券の番号・IDが異なる。何の体系、全国ルールもない。
マイナンバーが診察券の番号の代わりになる、
全国の多くの医療機関で自動受付・自動精算が可能となる、
となればマイナンバーも導入し甲斐があるけど。
(さらにカルテ、検査結果も共有されるようになればなおよい)
 
医療業界もいろいろなしきたりや障壁があって今のところ現実感がない。
システムそのものの難しさではなく、
その前段の調整の難しさとその実現コストをいったい誰が持つのかというところ。
 
スマートウォッチや家電のIoTなどで健康情報を取得して個人の健康管理へ
という DX は進みやすいだろうけど、
本丸の医療機関の改善、というところはなかなか進まないだろうと思われる。