JR東日本の赤字ローカル路線

今朝の毎日新聞の一面トップが「JR東 地方66区間赤字」という記事。
 
JR東日本が利用者の少ないローカル線の、2019年度の収支を初めて公表したのだという。
対象となった35路線66区間は全て赤字、とあった。
東北地方の地図にマッピングされている。
やはり津軽線があった。八戸線五能線も。
「今回の公表が廃線などに直結するものではない」という発言があったものの……
いつかは覚悟しないといけないのかもしれない。
 
郵政民営化に何の意味があったのか、いや、何のいいことがあったのか、
いまだによくわからない。
かんぽ生命の不祥事であるとか、その元になった過酷なノルマのこととか、
最近だと一般郵便物の土曜の配達をやめにして、
届くまでの所要日数も伸びたとか。
何のいいイメージもない。
当時の小泉首相が小さな政府を目指していて、郵政族だったので
まずは自分のところから「日本をぶっこわした」んだろうと理解しているのだが。
 
地方自治体によっては水道施設を民間に委託したら
値上がりはするし品質も下がるし、頭を抱えているというニュースを何年か前に読んだ。
うまくいってるところもあればいってないところもある、と片付けるわけにはいかない。
なんでもかんでも民営化すればいいわけではなく、
生活の基盤となるものの質は誰が守るのか、という視点はやはり官側に必要だと思う。
 
その中で国鉄からJRへの民営化はよくやった方だと思う。
新幹線などのサービスは向上し、駅ビルもどんどん洗練されていく。
でもそれも明暗がはっきり分かれ、北海道や四国の経営は厳しい。
 
JR東日本の羽振りのよさたるや。
足元では大変なんだろうけど、ゆるやかなバブルというか
成長戦略が当たっているな、という印象がある。
広告宣伝の方針にすぎないかもしれないが、きらびやかなイメージ。
東京駅地下街の雑踏を歩いていると、改札の中であれ外であれ感じる。
感じるというより、包み込まれる。
 
その稼ぎを赤字ローカル線の維持に振り向けてもらえると嬉しいのだが。
民間企業のひとつとは言え、地方の足を担っている。
簡単に、バスに代替すればいい、地方は車社会だから自助努力などと言い出さないでほしい。
 
JRの代わりに線路を引いて事業を始める人なんてこれから先いないだろうし。
何十年か前にその役割を担った人たちが、
代が変わったから、時代が変わったからと簡単にその役割を捨てるわけにはいかないと思う。
その線路で事業を発展させてきたのだし。