商店街というもの

NHK-BS の『街録』を見ていると、時折大岡山の商店街が映る。
昔は有楽町や巣鴨、高円寺が多かったけど、
最近は下高井戸といった場所が増えた。
 
結婚前の妻が住んでいたのが大岡山だった。
結婚前に何度か訪れ、結婚後も年に一度は訪れるか。
妻がよく食べたというとんかつ屋に行くことが多い。
 
今も妻は大岡山に住みたいという。
確かにいいところだ。
東工大があるからか、田園調布が近いからか、知的な、落ち着いた雰囲気がある。
少し歩くと洗足池の公園がある。
目黒線大井町線と二つの路線が乗り入れているのも便利。
駅の建物は大きな病院となっている。
 
何よりもいいなあと思うのは今も庶民的な商店街が残っているところ。
(それゆえに『街録』にも選ばれている)
チェーン店に置き換わった店も多いが、昔ながらの個人商店もまだ残っている。
小さな町のCD屋もあって、売れないからか帯の背中が焼けている。
コロッケやチャーシューのうまい、賑わっている精肉店がある。
孤独のグルメ』にも出た、いい魚を揃えた店もある。
 
今住んでいる光が丘にはそういう商店街はなくなってしまった。
家のすぐ裏の通りにも看板の文字を上書きして消した、商店街の名残だけがある。
大きな駅ビルができたことで便利になった反面、そういう弊害も生まれてしまう。
 
そういうこともあって、町歩きをするなら商店街の残っているところとなる。
国立とか、江古田とか、成増とか。
どこそこの店であれを買いたいとか、何を食べたい、というよりも
商店街の雰囲気に包まれるために行く。
おばちゃんたちが切り盛りする洋食屋とも定食屋とも区別がつかない店であるとか、
コーヒー豆を売る店の軒先に見たこともない輸入食材が並んでいるとか、
小さなパン屋で買ってみたコロッケパンを歩きながら食べたとか、
そういうこと。
 
車が入れないぐらい狭い通りだとか、アーケードがあるとか。
入り口に通りの名がアーチをかけられているとか。
そんな商店街。