ウルトラクイズのアメリカ

高校の友人たちとの LINE グループでアメリカ横断ウルトラクイズの話題になった。
やっぱ1989年の第13回が最高に面白かったなあとか。
(20世紀最強と称された長戸さんがチャンピオン)
 
アラフィフに足を踏み入れた僕らにとって
アメリカのイメージを最初に作ったのはウルトラクイズだったよなあ
という話になった。
 
だからアメリカって夢の国、憧れの国、だからいい国という思いが未だに胸の底にある。
BS朝日『町山智弘のアメリカの今を知るTV』を見てると
アメリカという国がいかにトチくるっているか気が遠くなりそうになる。
トランプ支持者、共和党支持者がいかに横暴か。
黒人の投票を阻止、妊娠中絶は違法、トランプ大統領は勝利を盗まれた。
(CNN の協力のもとつくられている番組だからというのもあるかもしれない)
 
そういうのを見ていても、心のどこかで、いや、そんなはずはない、と思う自分がいる。
20年以上も前に終わった番組のまま何もかも止まってるってことはないのに。
 
そういえば。
シルバーウィークで青森に帰った時に、青森駅前の広場で
トランプ主義者の集会があった。
拡声器を通して若者が「コロナは風邪」「マスクは有害」と何度も繰り返していた。
一人は「TRUMP」と書かれた旗を掲げていた。
全部で10人ぐらいいたか。立ち止まって話を聞く人はいなかった。
僕は市営バス乗り場でバスが来るのを待って、遠目に眺めていた。
16時までという申請をしていたのか、時間が来たら終わって解散した。
 
いったい何をどうしたらこの青森でトランプ氏を支持していいことがあるのだろう。
なんか得られるものがあるのだろうか。
なんにしてもこの若者たちはウルトラクイズを知らないから、
それが理由の一つでトランプ主義者になったんじゃないか、なんてことをふと思った。
 
ウルトラクイズで僕らはアメリカは夢の国と学んだだけではなく、
勝ち進んで次の土地へ次の土地へと旅していく過程を見るうちに
どんな州があってどんな都市があってどんな文化があるか、大まかに学んでいた。
いろんな人たちが集まった多様性の国だということを子供ながらに知った。
自分はこれを信じる、猛烈に信じるということはあってもいい。
しかしそれ以外のものは排除していい、とはならない。
そんな国なのだということを知った。
カウボーイハットのをかぶった癖の強そうなおっさんが登場しても、
それがアメリカの全てではないということを知った。
 
別にウルトラクイズでなくてもよい。
世界まるごとHOWマッチでもいい。兼方かおる世界の旅でもいい。
昔は世界の多様性というものに
楽しみながらそれとなく気づかせてくれる番組がいくらでもあったように思う。
なんでなんだろう。
番組がなくなるのが先だったのか、世の中の流れが先なのか。
テレビの中も外も内向きだよなあ……