先週買ったCD #103:2022/09/26-2022/10/02

2022/09/27: diskunion.net
Christopher Cross 「Another Page」 \8850
Killing Joke 「The Peel Sessions 1979-1981」 \1100
Cassandra Jenkins 「An Overview On Phenomenal Nature」 \800</font
 
2022/09/27: www.amazon.co.jp
Big Audio Dynamaite 「F-Punk」 \640
※商品不備があって買い直し
 
2022/09/29: diskunion.net
テレサ・テン 「忘れられない ~最後のレコーディング~」 \1100
Biohazard 「New World Order」 \480
 
2022/09/29: BOOKOFF 練馬光が丘店
Aerosmith 「Big Ones」 \330
Dick Lee 「The Year of The Monkey」 \330
(Soundtracks) 「The Hotel Venus」 \330
Parliament / FunkadelicGeorge Clinton Presents Parliament Funkadelic Mothership Connection  Newberg Session」 \690
 
2022/10/02: www.amazon.co.jp
Atari Teenage Riot 「Riot In Japan 2011」 \1644
 
2022/10/02: diskunion.net
Einsturzende Neubauten 「Grundstuck」 \1300
 
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クリストファー・クロスのことは前から何となく知っていた。
なんと言っても1981年の ”Arthur's Theme (Best That You Can Do)”
映画『ミスター・アーサー』の主題歌となり、アカデミー賞の歌曲賞を受賞した。
というか、日本では”ニューヨーク・シティ・セレナーデ”と呼んだ方がよいか。
透き通ったハイトーンボイスで歌われる、AORの最高峰的ナンバー。
今もFMラジオでは月に1回はどこかで聞くように思う。
もしかしたら全国のラジオ局のどこかで1日1回はかかってるんじゃないか。
リスナーからのリクエストがあって、こんなことがあったと甘酸っぱいエピソードを添えて。
 
他にも1981年のグラミー賞で最優秀レコード賞、楽曲賞、新人賞と総なめした
”Sailing” など80年代初期に名曲の数々を残した。
個人的には爽快を越えて軽快すぎる ”All Right” も好きだな。
 
まあいつか聞くかと思い続けて、ずっと距離を保ったままだった。
それがふと心に引っかかるようになったのは数か月前の InterFM『Lazy Sunday』にて。
ジョージ・カックルさんがクリストファー・クロスの曲をかけてこんな感じのエピソードを。
『初めて来日した時、アーティスト写真が日本に伝わってなかったから
 皆、もっと細くて繊細な人を想像してたんだよね。
 それがステージに野球帽をかぶった巨漢な男性が出てきて、誰だこいつはと』
 
検索して写真を見てみたら、いや、ほんとこりゃびっくりだなと。
もしかしたら声と外見が世界で最も一致しないシンガーかもしれない。
(今のところ僕は歌ってるところの動画は見ていない)
テキサスかどこかのダイナーで毎朝分厚いパンケーキを食べて
ブラックコーヒーをお代わりしてそうな感じ。
実際に彼はテキサス州出身だけど。
趣味はカーレースというのもどこかで読んだ。
それがどこをどうしたらあの天使の衣擦れのような声になるんだろう。
 
なんかおもろいな、と思いつつその時は特に購入せず。
それがシルバーウィーク前半の連休に荻窪の床屋に行ったら
どこかの局のラジオ番組がかかってて。
ゲストが自分の好きなアルバムをリコメンドして曲を、というもの。
30代と思われる陽気によく喋る女性が一番好きなアルバムと紹介したのが
彼の一枚目だった。
1979年発表のセルフタイトルで邦題は「南から来た男」
”Sailing”など3曲か4曲は流れたかな。
どれもいい曲で、あー、ちゃんと聞いてみたいなあと思う。
床屋が終わって試しに駅前のブックオフに入ったらベストアルバムが600円ぐらいで置いてあった。
これも縁だな、買いだ。
まあでもどこのブックオフの格安コーナーにも彼のベストはありそうだけど。
 
やー、これはもっとちゃんと聞こうとリマスター盤を探すと
1作目と、2作目で1983年発表の「Another Page」が紙ジャケで出ていた。
しかし1作目は何回か紙ジャケで再発されたのに2作目は2013年の一度きり。
DiskUnion で見てみたら2013年版で両方中古が出ていて
1作目は1,900円で、2作目は8,850円とかなり差がついていた。
迷って結局この機会に同じ規格で揃えようと2作とも買った。
 
1作目にはボーナストラックで日本のみシングルで発売された”Mary Ann”が、
2作目は”Arthur's Theme (Best That You Can Do)”を。
オリジナルアルバムには未収録で本来はサントラのみ。
過去のプラケースの再発だとこの有名曲が入っていないようで
ゆえにこの紙ジャケが人気なのかもしれない。
 
ちなみにどちらもジャケットにはフラミンゴが描かれていて、
彼はミスター・フラミンゴとも呼ばれる。
それもまた外見に似合わないような……
解説を読んでみたらデビュー前のバンドにいたメンバーの描いた絵をスタジオに飾っていて、
いつか使いたいと考えていたとあった。
 
2枚続けて聞く。
1作目も2作目もその無名時代から一緒に演奏していた仲間たちがバックに呼ばれていて、
だからナチュラルな音に仕上がったのだろうなと思う。
理解のないレコード会社だったら上手だろうけど初めて会うスタジオミュージシャンで固めて、
よそよそしい音にしてしまったかもしれない。
 
解説やジャケットのクレジットを読んで驚いたのは
当時の AOR 界の綺羅星たちがこぞって参加していたこと。
1作目はバックボーカルにニコラット・ラーソン、ヴァレリー・カーター、
”Arthur's Theme (Best That You Can Do)”の演奏はほぼ TOTO
2作目はバックボーカルにカーラ・ボノフアート・ガーファンクル
The Beach Boys のカール・ウィルソン、
スティーヴ・ルカサーのギターに、スティーヴ・ポーカロのドラムなど TOTO の半分が参加、
ドラムにはスティーヴ・ガッドの名前もあった。豪華すぎる。
レコード会社のアレンジではあるだろうけど
クリストファー・クロスという新しい才能を認め、引き寄せられたんだろうなあ。
 
聞くたびに爽やかな風が流れていく。
1作目は名盤として今も語り継がれ、2作目も引けを取らない。
TOTOが好きな僕としては2作目を見る目が変わった。
このソロはスティーヴ・ルカサーなのかななんて思いながら今も聞いている。