先週買ったCD #104:2022/10/03-2022/10/09

2022/10/03: www.hmv.co.jp
Aerosmith 「Big Ones」 \220
※商品不備があって買い直し
 
2022/10/03: BOOKOFF 練馬光が丘店
Eddie Hazel 「Game, Dames & Guitar Thangs」 \2090
Eddie Hazel 「Rest In P」 \3090
 
2022/10/03: メルカリ
Shizuo 「Shizuo vs Shizor」 \800
 
2022/10/04: diskunion.net
忌野清志郎仲井戸麗市 「Glad All Over」 \2650
 
2022/10/05: www.hmv.co.jp
UA 「Are U Romantic ?」 \3960
Special Others 「Anniversary」 \3300
Beabadoobee 「Beatopia」 \2750
Neil Young And Stray Gators 「Tuscaloosa」 \2298
Pink Floyd 「Animals (2018 Remix)」 \2750
Porcupine Tree 「Closure / Continuation」 \2750
The Chrlatans 「Live At Reading Festival 1992」 \2860
Sarah Alainn 「One」 \3850
R.E.M. 「Chronic Town EP」 \1980
Dead kennedys 「Fresh Fruit For Rotting Vegetables 2022 Mix」 \2310
(Soundtracks) 「The Golden Age of Peter Bogfanovich」 \4290
 
2022/10/06: www.amazon.co.jp
Tom Jones 「The Lead And How To Swing It」 \1
 
2022/10/06: www.hmv.co.jp
石野卓球 「Mix-Up vol.1」 \297
Little Village 「Little Village」 \396
Justin Bieber 「Acoustic」 \297
Kesha 「Rainbow」 \495
Jaco Pastrius 「Word of Mouth」 \495
 
2022/10/06: メルカリ
(V.A.) 「The Secret Policeman's Other Ball - The Music」 \1980
 
2022/10/07: diskunion.net
The Blue Hearts 「Live All Sold Out」 \1700
The Blue Hearts野音 Live on '94.6.18.19」 \2100
 
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(Soundtracks) 「The Golden Age of Peter Bogfanovich」
 
数か月前、HMVのサイトを見ていたら
「The Golden Age of Peter Bogfanovich」というタイトルの4枚組が発売されると知る。
詳細は分からなかったが、
アメリカン・ニューシネマの名匠ピーター・ボグダノヴィッチ監督のサントラを4作集めたものと考え、
こういうのは見つけたときに買っておかないと後で苦労すると即予約した。
1971年の『ラスト・ショー』と1973年の『ペーパー・ムーン』は外せないだろう。
学生時代にビデオを借りて見た。
派手なところはないけど、人間というものを丁寧に描いた作品だった。
(『ペーパー・ムーン』のテータム・オニールよかったなあ)
 
発売日が10月半ばに変更とメールが来たものの、なぜかその後すぐ入荷して10月頭に届いた。
1枚目が『ラスト・ショー』で2枚目が『ペーパー・ムーン』と
残念ながら僕は見ていないが、1975年の『At Long Last Love』
ジャケットを見るとコール・ポーターの曲を集めているようだ。
 
問題は3枚目と4枚目。
3枚目がなぜかオーソン・ウェルズ
(この辺りは見ていないが)『黒い罠』(1958、作曲はヘンリー・マンシーニ)、
『不滅の物語』(1968)
4枚目がジョン・フォードで『探索者』(1956、作曲はマックス・スタイナー)、
『三人の名付親』(1948)と『リオ・グランデの砦』(1950)
なんでこういうことになっているのか?
そういえばピーター・ボグダノヴィッチは映画監督になる前は批評家だったよなあと調べてみたら
1971年にジョン・フォード監督に関するドキュメンタリー映画を撮影、
オーソン・ウェルズに関する著書があった。
そのつながりなのだろう。
 
(思いがけず早く届いたこともあって
 iTunes に取り込もうとしたら2枚目から4枚目にかけてCD情報なし。
 世界で最初に僕が取り込むのか。不肖岡村が3枚分のCD情報を登録。
 いつもこの世界の誰かがやってくれててその恩恵を受けているから、
 こういう機会を与えられたことはとてもありがたいことだ。
 しかし、2枚目が26曲で3枚目が25曲、4枚目に至っては40曲というのは
 タワレコのサイトからコピペするだけでも大変だった。
 不備があったらすみません。というかなんかごちゃごちゃしてしまった)
 
発売元はイギリスの老舗インディー・レーベルの Cherry Red Records から。
Everything But The Girl や Felt など80年代は主にネオアコのイメージがある。
今も続いていて最近は再発ものが多いのかな。
たまたま同時に買った
Dead Kennedys の1作目「Fresh Fruit For Rotting Vegetables」(1980)の
2022 Mix による再発も Cherry Red Records だった。
 
4枚それぞれ聞いてみる。
最初に聞いたのは4枚目のジョン・フォード
マックス・スタイナーによる古き良き映画音楽。
これは追跡の場面なのだろう、これはロマンスの場面なのだろう、
曲調とテンポで器用にストーリーを補足する。まさに劇伴としての音楽。
1枚目の『ラスト・ショー』はハンク・ウィリアムズやトニー・ベネットなど。
1950年代前半ぐらいになるのかな。
あえて古き良き時代のノスタルジアを掻き立てる歌を選んでいると思われる。
アメリカが失ったもの、失いつつあるものを描いた映画だった。
 
2枚目の『ペーパー・ムーン』はビング・クロスビーの名前がありつつもほぼ知らない楽団ばかり。
○○と彼のオーケストラ、みたいな。日本だとムード音楽と呼ぶのかな。
こちらも自分はその時代を生きていないのになんか懐かしい。
子供の頃に聞いたアメリカというか。
後半のコール・ポーターもしかり。
びっくりしたのは3枚目のオーソン・ウェルズ
前半の『市民ケーン組曲』の格調高いクラシカルな響きは想定通りとして
問題は『黒い罠』の楽曲たち。
エキゾチックでゴージャス。これ、いわゆるモンド系だよな。こういう音だったのか……
幻の名盤ということで再発したらおしゃれな音楽を探している人たちの間で話題になりそう。
ヘンリー・マンシーニはもっときちんと追いかけないといけないな。
 
サントラ4枚組というボリュームだけど
同じ映画で4枚だとさすがに飽きそうなのが
全然別の映画、別の作曲家なのでいろいろと楽しく聞くことができる。
それでいてアメリカの映画音楽、その黄金時代を残しておこうという意気込みも感じられる。
とても素晴らしいアンソロジーだった。
 
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(V.A.) 「The Secret Policeman's Other Ball - The Music」
 
メルカリもヤフオクamazonマケプレも定着してけっこうな年になる。
出品者もすれてきて、ちょっと珍しいものになると周りを見て値段を決める。
(例:ヤフオクを見てメルカリに出す、メルカリを見てマケプレに出す)
いとも簡単に吊り上がり、プレミア価格となる。
なんだかなあと思いつつもそれが市場というものか、とも思う。
なので可能な限り中古CDは
適正価格の diskunion や HMV のサイトで購入する。
ちょうどよく出品されていることはなかなかないけれども。
 
それがたまに出品している人もよくわかってなくて
意外なものが安く入手できることがある。
こういうことがあるから、面白い。やめられない。
今回のCDも、そう。
 
先日、The Police を聞いていたときに
あーそういえばデビュー前にもう一人別なメンバーがいて
Every Little Thing She Does Is Magic” をやってるアルバムがあったなあと。
調べたら Strontium 90 というグループの「Police Academy」 だった。
Sting ではなくもう一人のメンバーが前面に出て歌ってて、
やってるのも彼の曲ばかりだというので買うのは見送り。
 
調べてるついでに出てきたのが
「The Secret Policeman's Other Ball - The Music」 で、
あ、そうだ、これを忘れてた。思い出した。
知る人ぞ知る人気作品なんですよね。
1981年、イギリスでのチャリティー・コンサートを収録したもの。
王室の存在ゆえに慈善事業が定着しているのか、イギリスには多いですね。
1990年のが豪華メンバーで今も語り継がれる『Knebworth Festival』であるとか、
王室の関わった『The Prince's Trust Concert』であるとか。
ライヴエイドだってそうだった。
 
こちらはアムネスティ・インターナショナルの活動資金を得るためのもの。
負けず劣らず、メンバーが豪華。
前半、スティングが”Roxanne”と”Message In A Botttle”をアコースティック・ギターで弾き語り。
”悲しみの恋人たち”('Cause We've Ended As Lovers)や”Crossroads”など3曲
The Yardbirds では入れ替わりだったので二人は共演してなかったはず)
最後全員でボブ・ディランの”I Shall Be Released”もやっている。
ファンにはたまらない。
後半も、こういったチャリティーには欠かせないボブ・ゲルドフが1曲、
ソロで大ヒットを飛ばし始めたフィル・コリンズが2曲、
60年代、70年代のスーパースターだったドノヴァンが2曲。
前半に比べると地味に感じられるけどこのメンツもすごい。
 
なかなか入手が難しく、最初に出たのは2,000円から3,000円ぐらいで探せば見つかる。
その後 Rhino からリマスター盤が出て、これが1万円近くになる。
以前は諦めてそれっきりにしていたのが、
今回思い出したついでにメルカリで見てみたら1,980円で出品されていた。
何食わぬ顔をして購入した。
 
聞いてみると大半がアコースティックセットだった。
スティングもボブ・ゲルドフフィル・コリンズもドノヴァンも。
その方がバックバンドを入れ替える手間がかからないからか。
曲のよさそのものをシンプルに伝えようというコンセプトがあったのか。
 
おそらくこのギターはジェフだろう、このギターはクラプトンだろうとなんとなくわかるようなわからないような。
二人ともブルースから出発して大きな影響を受けているけど、
ジェフ・ベックが”Crossroads”を弾くことはない。少なくとも僕はこれまで聞いたことがなかった。
逆に、有名な曲だからと言って”悲しみの恋人たち”をクラプトンが弾くこともない。
住みわけができているというか。
エリック・クラプトンはブルースそのものに惹かれ、
ジェフ・ベックは黒人音楽としてのブルースに惹かれてるのだろう。
そんなことを考えた。
何にしてもこの二人が共演しているというだけでこのCDが欲しいという人は多いだろう。
名演というほどのことはなかったが……
 
最後の ”I Shall Be Released” は
ヴォーカルがスティングで、ギターがエリック・クラプトンジェフ・ベック
バックコーラスにフィル・コリンズボブ・ゲルドフとドノヴァン。
なんという豪華な。というか無茶苦茶すぎて笑っちゃう。
そもそもスティングにボブ・ディランを歌わせようなんて誰の発想だろう。
バックバンドをよく見るとギターに Rattles などのニール・イネス
ホーン・セクションに King Crimson のメル・コリンズ、
バックコーラスにUltravoxミッジ・ユーロ
すごすぎてなんかもう評価が難しい。
おおまじめに ”I Shall Be Released” を歌うスティング。
ギターも5人いて誰がどれなのかよくわからず。
もはやいいも悪いもない。
でもそのお祭り騒ぎ感がチャリティーイベントならではで。
1981年。まだおおらかな時代だった。