只見線、津軽線

NHKが鉄道150周年を祝って、このところいくつかの番組で新作とか再放送とか。
録画したのをまだ見れてないけど、『沁みる夜汽車』の新作。
朝は7時から15分番組の『始発物語』の再放送が続いてた。
先週の金曜だったか、『中井精也の絶景てつたび!』の再放送を一晩中やってたな。
 
昨晩の『新日本風土記』は只見線
過去に放送していたものを再編集した拡大版。
福島の会津若松と新潟の魚沼を結ぶ。
絶景スポットが多いことで知られるが、2011年の集中豪雨で一部区間が不通となる。
廃止の方向性も見られた中、復旧工事を少しずつ進めて今月1日全線開通を果たした。
喜ぶ住民、鉄道ファンの様子を紹介する一方で
その間代替手段として走っていた路線バスが廃止となり、
そのラストランを大勢の人が温かく見守る風景も描かれた。
熱い思いが静かに流れる良回だった。
(新日本風土記はだいたいいつも良回だけど)
 
只見線はほんと愛されてるな、と思う。
コロナ禍前は外国人観光客も訪れてきていたという。
ポータルサイトもあった。
 
番組でも触れていたが、
一日の利用者数が少ない地方のローカル線は
台風や大雨、地震といった自然災害で線路が流されるなどして利用不能となった際、
復旧しても採算が合わない、自治体が毎年何億もの維持費を負担することになる、
という理由で廃線に向かうことが多い。
新日本風土記でも別の回で日高本線のことを取り上げていた。
 
津軽線もそうなっちゃうんだろうなあと思う。
8月頭の記憶的大雨で津軽線の奥の方、蟹田から三厩までが不通となり、
復旧の見通しが立っていない。これから雪も降るし、工事も始められないだろう。
即廃止となるわけではないようだけど、予断を許さない。
今、あの辺りには代行バスの他に
1回500円の「デマンド型乗合タクシー」も走っているという東洋経済の記事を読んだ。
これもうまくいくかよくわからない。
 
沿線には特に観光名所があるわけではない。
竜飛岬のある三厩ぐらいか。
利用者が増える要素が今のところない。
追い打ちをかけるように交通手段がさらに乏しくなった。
悪循環から抜け出せない。
 
青函トンネルが開通して特急が走るようになった辺りまではよかった。
それでも徐々に本数が減り始めて
青森から三厩までが直通だったのが蟹田乗り換えとなって
北海道新幹線が運航を開始した頃からガクッと。
僕が小さい頃は1時間に1本はあったのが、
今は青森-蟹田間が9往復、蟹田三厩間が5往復なのだという。
 
そんな津軽線を救おう、盛り上げようと頑張っている団体もあることはある。
同じく東洋経済の記事で読んだんだけど
産学共同で「JR津軽線プロジェクト」が立ち上げられ、
「ガニ線カード」というものを昨年配ったとあった。
(ガニ線とは津軽線の愛称とのこと)
しかしこの試みも今回の大雨でトーンダウンしてるんじゃないかと心配になった。
 
青森大学の学生たちががんばっていたというのはわかったものの
利用する住民の顔が見えない。
津軽線に関心があるのか、ないのか。
 
津軽線無人駅の駅舎を毎朝掃除する人たちや花壇を整備する人たち、
名もなき人たちが他のローカル線のようにいるはずだけど。
いてほしいものだけど。