寮の友人たちと国立、小平散歩(小平篇)

土曜の続き。
15時、戸倉通りを北へ。
津田塾大学の門の前まで来て、落ち葉で埋まった玉川上水を歩く。
学生時代に入ることのできなかった『いろりの里』の前を通ってガスト1号店へ。
今はステーキガストとなっている。
寮で麻雀を打って腹が減ると食べに行った。
ハンバーグ定食が380円だったかな。とにかく安かった。
ドリンクバーだけで一晩粘って話続けたり。
 
小平キャンパスの周りに戻る。
町中華の『松華』と『キッチンこばやし』はまだ健在。
『みゆき』はもうなくなっていた。
日曜は寮の風呂が休みで、よく入りに行っていた銭湯が更地になっていた。
キャンパスの北口にあった駄菓子屋の『ブリッジワン』は
シャッターが下りていたものの看板はかかっていた。
『龍園』はだいぶ昔に閉店して今は住宅になっている。
その隣の『もとき』は今、リサイクルショップになっていた。
 
塀の外から一橋寮を眺める。
4人部屋で居室と2段ベッドが4つの寝室と左右に分かれていたのが
今はそれぞれ個室としたようだ。
ひと気がなく、しんと静まり返っている。
南棟と北棟とをつなぐ渡り廊下を歩く人もいない。
しかしよく見ると階段に明かりが灯され、廊下には傘が並んでいる。
今も住んでいる人がいるんだなと思う。
留学生なのか、一般の学生なのか。
 
北口が開いている。
今、小平キャンパスは1・2年生のための校舎ははなく
留学生や国際交流向けの施設ばかりとなり、
いくつかの建物はNHK学園に貸していると聞く。
入れないかなと思いきや、案外あっさり入ることができた。
体育会の部室や練習場が残っているし、
ワクチン接種会場に貸していた建物もあったからかもしれない。
 
国際交流向けの施設は10階建てぐらいになるのか。
巨大なマンションのような。
それが5つか6つ経っていて、なのにひと気がない。
チェルノブイリ後、近隣の放棄された都市をあるくような気持になる。
 
部室の周辺は少し学生が歩いていた。
ギターを抱えているとか、ユニフォームを着ているとか。
合唱サークルが練習しているのが聞こえた。
一橋寮の近くまで行く。やはり中には入れない。
一つの部屋に明かりがついているのが見えた。
落ち葉の積もった裏に回る。
雨水が溜まったままになっていると思われるプールを見て、
合気道部などの練習場を経てグラウンドへ。
女子ラクロスが練習していた。
昔は土の、砂埃の舞うグラウンドだったのが、今は人工芝になっている。
 
キャンパスを出て一橋学園駅前を歩く。
テレビによく出てくる中華麵の『なにや』やとんかつ『藤乃木』は健在。
しかし、駅前の立ち食い蕎麦の『戸隠』は更地になっていた。
駅を出てすぐのマクドナルドも居酒屋に代わっていた。
僕らが飲み会の後に行った歌広場もなくなっている。
その一方で小平らしくない高層マンションができていたことに驚く。
 
一橋寮生OBとして夜は『一松』
しかし、17時前でまだオープンしていなかったので
駅前の居酒屋で2杯飲んでから『一松』に入った。
 
おじさんが亡くなられたのは2年前か。
今はおばさん一人だけ。
店を訪れるのも一橋寮のOBばかりで、バイトを雇う余裕もない。
そのおばさんも聞いたら86か87だという。かなり耳が遠くなっていた。
この一松もあと何年か……
30年前に初めて先輩に連れられて入ってからどれだけお世話になったことか。
 
お客は2階の座敷の僕らだけ。
料理を運んだり下げたりするとあとはすることがない。
僕らがどの代だと話すと、時々上がってきて誰それが今がんばっている、
何年か前にたまたま見つけた新聞の切り抜きがこれ、と持ってきてくれる。
そして思い出話をして下りていく。
コロナ禍でここ3年はご無沙汰していた。
おばさんの元気なうちは1年に1回は顔を出さないとな、と思う。
 
白菜鍋を頼んだら昔は白菜と鶏肉だけだったのが
ネギ、豆腐、春菊とグレードアップしていた。
OB向けのサービスだったのか、それとも……
鍋を食べ終わった後、うどんを入れるかと聞かれておじやにすると言ったのに
玉子でとじたうどんが出てきた。
それはそれでおいしかったけど、おばちゃん大丈夫かなとちょっと心配になった。
ポテトフライを頼んだのに、唐揚げにミートボールに野菜サラダのたくさん乗った大皿に。
サービスであってほしいが。
 
一松からG先輩が加わって、4人で飲む。
昔のこと、今のこと、お互いをからかい合って話は尽きない。
ここ数カ月では一番笑ったなあ。
 
17時半に入って22時半までいたか。
おばさんの手を煩わせるわけにはいかないと料理の皿を自分たちで下してテーブルを拭く。
1人4,000円となって4人。一晩で16,000円。
材料や酒の仕入れもあるし、おばさん食べていけるのかな。
 
夜は雨。
昔は車両が黄色かったのが今は赤や青も走っている。
国分寺の駅でたくさんの乗客待ち。
忘年会帰りの人も多いのか。
都心方面は僕だけで1人、帰ってくる。
中央線、総武線は空いていたのに大江戸線は混んでいた。
 
光が丘に着く。小雨が続いている。
妻が風呂を沸かしてくれている。
クロアチアとモロッコの3位決定戦の前半を見て寝た。