先週買ったCD #114:2022/12/19-2022/12/25

2022/12/19: www.hmv.co.jp
Janet kay 「Lovin’ You」 \330
(Soundtracks) 「Buffalo 66」 \440
Johnny Cash 「American IV: The Man Comes Around」 \770
 
2022/12/19: www.amazon.co.jp
Great 3 「Richmond High」 \2000
 
2022/12/19: diskunion.net
Jefferson Airplane 「The Woodstock Experience」 \2250
Fleetwood Mac 「Blues Jam At Chess」 \4050
Bread & Butter 「Pacific」 \1800
Sandy Law 「The Story of Sandy Law So Far」 \1800
 
2022/12/20: www.amazon.co.jp
Gontiti 「Live」 \199
 
2022/12/22: tower.jp
吉田拓郎 「今はまだ人生を語らず」 \2420
Taylor Swift 「Midnights : Moon Stone Blue Edition」 \2750
Creedence Clearwater Revival 「Live At Royal Albert Hall」 \3300
Dead Cross 「II」 \2640
 
2022/12/22: tower.jp
Arca 「Kick II」 (\2420)
タワレコのポイントで
 
2022/12/22: TowerRecords 光が丘店
Chelmico 「maze 初回限定盤」 \3850
 
2022/12/23: www.hmv.co.jp
Chelmico 「EP」 \660
Jackson Brown 「Running On Empty」 \200
 
2022/12/23: diskunion.net
Chelmico 「gokigen 初回限定盤」 \3650
Jackson Brown 「For Everyman」 \1300
 
2022/12/24: BOOKOFF 練馬光が丘店
Gino Vannelli 「Nightwalker」 \1110
Madonna 「Something To Remember」 \330
Rufus Wainwright 「All Days Are Nights: Songs For Lulu」 \550
The Faint 「Wet From Birth」 \693
 
2022/12/24: www.amazon.co.jp
Creedence Clearwater Revival 「Live In Europe」 \2200
 
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吉田拓郎 「今はまだ人生を語らず」
 
今年は、ま、ま、ま、まさかそれが!? とびっくりする再発がいくつもあった。
Ralph Records 「Subterranean Modern」の初CD化。
裸のラリーズのオフィシャルアルバム3枚を久保田麻琴リマスタリング
裸のラリーズはこれまで、ヤフオクに出ると確実に数万越えとなっていた。
 
そしてこの吉田拓郎 「今はまだ人生を語らず」
1曲目に”ペニーレインでバーボン”を含む形で。
もちろん最新リマスタリング
 
1974年のアルバム。
歌詞に『つんぼさじき』という<差別語>を含むことでこの曲は放送禁止になった。
最初にCD化されたとき、あるいは後にCD選書のシリーズで再発されたときは
”ペニーレインでバーボン”を含んでいたが、それが都度問題となって生産中止に。
コレクターズアイテムとなる。
その後のCD化はこの曲が省かれた無難な形が採用された。
 
ああ、もうオリジナルの曲順では出ないんだろううなあと思っていたらひょっこりと再発に。
今年2022年で音楽活動を引退するからだろうか。
ひと区切りというのはわかるが、差別語を含む曲を出したくないと考えていたのは誰なのか。
その人、その人たちにとってこのタイミングで何かが許されたのか、許したのか。
事情はよく分からない。
『つんぼさじき』という単語が出てくるだけ。
『つんぼさじき』の人間をどうこうしろと主張することはない。
同じく ”ペニーレインでバーボン” を含むことでカットされていた
1979年のライヴアルバム 「TAKURO TOUR 1979」 も当初の曲目で再発されることになった。
 
面白かったのはヤフオク
それまで、ごくたまにCD選書盤が出てきては
どんなに状態が悪いものでも1万~2万ぐらいの金額になっていたのが、
価値のなくなった今、毎週のように出品されるようになった。
しかし値段を下げず、だいたいは9,900円からスタートしている。
なんだろうなあ。
再発に気づいてない人がいると踏んで強気で出しているのか。
コレクターズアイテムはあくまでコレクターズアイテムという扱いなのか。
落札する人、いるんだろうか。
そのうちに今週辺りから今年の再発盤も出始めた。
出品者がどういう対応をするのかが気になる。
 
いや、ほんと金のある時に血迷って1万も出して買わなくてよかった。
買ったところで音はよくなかっただろうし。
 
その”ペニーレインでバーボン”で語られることが多いだろうけど、
アルバムタイトルに絡んだ ”人生を語らず” や
かまやつひろしとの”シンシア”
森進一の歌った”襟裳岬”など代表曲が多く、
”僕の唄はサヨナラだけ” や ”贈り物”といった隠れた名曲も。
吉田拓郎にとっては1972年の「元気です。」に並ぶ名盤だと思う。
 
歌いたいことがあって曲を書いて人の前でギターを弾きながら歌う。
好意的に受け止めてくれる人も多かっただろうが、否定的な人もいただろう。
その声の方が突き刺さっただろう。
思いが届かなかった人もいるだろう。
初期の楽曲には、演奏には、そのやるせなさがどこかあった。
しかし、ここでの吉田拓郎は吹っ切れている。
自分の中の違和感と折り合いをつけてる。それはある意味、諦めでもある。
そうすることで得られた強さが、吉田拓郎流のポップミュージックとして完成したのが
このアルバムなのだと思う。
”三軒目の店ごと”ではCM曲のように男性コーラスが入る。
襟裳岬”では実に堂々と日本の抒情を歌う。
もちろん、”ペニーレインでバーボン” や ”人生を語らず”に見られるように
性急なメッセージ、やるせない思いも残っている。
 
でもここが分岐点なのだな。
「Live '73」の最後の曲、”望みを捨てろ”のような捨て鉢な叫びはもはや存在しない。
次回作の「明日に向かって走れ」(1976)でさらに、
日本のポピュラーミュージックの王道へと進んでゆく。
その中の”午前0時の町”は2022年の今、BS-TBSの『町中華で飲ろうぜ』で流れている。