先週買ったCD #122:2023/02/13-2023/02/19

2023/02/13: diskunion.net
Red Hot Chili Peppers 「What Hits!?」 \880
 
2023/02/14: www.hmv.co.jp
Flipper's Guitar 「Colour Me Pop」 \330
 
2023/02/15: www.hmv.co.jp
Maneskin 「Push!」 (\4000)
GreeeeN 「AB DEST!? TOUR!? 2010」 (\330)
HMV のポイントで \0
 
2023/02/16: diskunion.net
The High-LowsFlash」 \1100
James Brown 「Foundation Of Funk A Brand New Bag: 1964-1969」 \1100
Stiff Little Fingers 「Inflammable Material」 \2500
Stiff Little Fingers 「Nobody's Heroes」 \2500
Cabaret Voltaire 「Archive #828285 Live」 \2250'」 \2650
Michael Nyman 「The Piano Sings」 \780
 
2023/02/16: diskunion.net
Buck-Tick惡の華」 \4850
Ash 「Twilight of the Innocent」 \300
Los Lobos 「Goes Disney」 \1500
 
2023/02/17: www.amazon.co.jp
Zoobombs 「Bear's Banquet」 \780
 
2023/02/18: BOOKOFF 新宿駅西口店
Hootie & The Blowfish 「Scattered, Smothered & Covered」 \693
Hound Dog Taylor 「Hound Dof Taylor and the HouseRockers」 \792
2 Pac 「Live」 \792
Jurassic 5 「Quality Control」 \550
 
2023/02/18: diskunion.net
Muslimgauze 「Arab Quarter」 \3050
Muslimgauze 「Remixes」 \1900
 
2023/02/19: diskunion.net
Beyonds 「Unlucky」 \4250
坂本龍一 「Field Work+Steppin' Into Asia」 \1100
Psychic TV 「Force The Hand Of Chance」 \5050
 
2023/02/19: www.amazon.co.jp
ほぶらきん 「ランニング・ホームラン」 \2000
 
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Los Lobos 「Goes Disney」
 
先週の「Disney Mania 2」を受けて。
他にもいくつかディズニー映画の曲をカバーしたコンピを持っていたなあ、
あるいは昔レンタルしたなあと。
マルコス・ヴァーリジョイスエドゥ・ロボといったブラジル音楽界の大御所たちのカバーしたボサノバ系。
Beat CrusadersHusking Beeといった日本のバンドに H2O や Snuff の加わったパンク系
・鬼才ハル・ウィルナーのプロデュースによりトム・ウェイツボニー・レイットリンゴ・スターが集まった王道系。
 
どれも悪くはないんだけど、決定打に欠ける。
いや、そもそもそんなたくさん聞いてないのに偉そうなことは言えない。
 
でも、そもそもの話、ディズニー映画の楽曲という
《夢の音楽》を凌駕することなんて普通出来ないんじゃないかという気もする。
彼らの商売のうまさゆえに、カバー集のコンピとしてレコード会社に許可するにあたっての
クオリティコントロールも高く、それゆえに突飛なものが生まれにくいのでは、という想像もある。
 
じゃあ、一人の、一組のアーティストが丸々ディズニーをカバーしたアルバムは持っていただろうか。
それはどうやらないようだ。僕の場合。
アメリカのアーティストが一枚丸ごとカバーで、しかも、古き良き時代の、というときに
ディズニーの楽曲が入ることは結構な割合であるように思う。
それなら何枚か持っている。
今、iPhone を見てみるとビル・フリーゼルやキャット・エドモンソンがそうだった。
 
そんなときに、Los Lobos にあったな、ということを思い出す。
なんであの ”ラ・バンバ” の、メキシコ系の武骨でイナタイ Los Lobos に?
というか90年代半ばからは180°方向性を変えて音響系を取り込んで
唯一無二のアメリカーナに進化していった Los Lobos に?
上記のハル・ウィルナーのアルバムにも Los Lobos は一曲参加していた。
なにかしらつながりがあるんだろうなあ。
メンバーの何人かはこわもてな顔立ちだけど、心はディズニーなのか。
 
CDが届く。
Walt Disney Records から出ていた。ということはディズニー公認、お墨付き。
どういう経緯なのかは不明。
ブックレットを見ても曲目、演奏者、Very Special Thanks To ぐらいしか書いてない。
 
1曲目は『白雪姫』の ”Heigh-Ho”
Los Lobos には(全員ではないにせよ)巨漢、サングラス、髭のイメージが。
ナイトクラブの用心棒とつまみ出されるチンピラというか。
そんな彼らが大真面目にハイホーハイホー歌っているのがおかしい。
他、『トイ・ストーリー』や『ジャングル・ブック』『101匹ワンちゃん』の曲をやっている。
ディズニーの曲に詳しくはない僕には2曲目以後は
いつもの Los Lobos にしか聞こえず。
メキシコの香りを直接的に伝えるロックもあれば、
ケイジャンやザディコといったアコーディオン主体のトラディショナルなフォークも。
弾き語りの曲もあり、多くは生ギターの音を活かしたゆったりとした感じ。
彼らにしては珍しく(かな?)Madness っぽいスカをやってる曲もある。
もちろん、彼らの得意とする猥雑なブギも。
彼らの音楽的引き出しの多様さがよくわかる。
まだまだたくさんあるけど、一部分にしかすぎませんよという余裕すら漂っている。
 
アメリカのルーツ・ミュージックで伝えるディズニーの心。そんなテーマか。
2009年の作品だから
「The Town and the City」(2006)と「Tin Can Trust」(2010)の間。
Los Lobosアメリカーナが円熟を迎えていた頃か。
アメリカーナとは、フォーク、ブルース、カントリー、ゴスペルなどをルーツとして
アメリカを形作り、アメリカによって形作られた
アコースティックな音楽、オーガニックな音楽とでも言うべきか。
各地の、特に南部や国境付近の音楽も取り込まれていく。
Los Lobos が取り込んでいく。
その取り組みの一環として、アメリカの精神的支柱、文化的背景のひとつである
ディズニーに接近したのではないか。
 
ラストが『ピノキオ』の”星に願いを(When You Wish Upon A Star)” と
アトラクションの ”It's a  Small World” のメドレー。
このやさしいメロディを聞くと
難しいことを考えず、ただ単に
彼らも家族を持ち、子供たちを育てていく中で思うところが生まれたからか、と思い直した。
 
多くのアメリカ人の心の奥底には、日本人が考える以上に深く広く、
ディズニーというものがあるのだろう。