先週買ったCD #124:2023/02/27-2023/03/05

2023/03/01: メルカリ
Kama Ainabonjour hawaii」 \980
 
2023/03/01: www.hmv.co.jp
Audio Active and Laraaji 「The Way Out Is The Way In」 (\770)
HMV のポイントで
 
2023/03/01: diskunion.net
Audio Active 「Happy Happer」 \580
The Beastie Boys 「Root Down」 \380
 
2023/03/02: diskunion.net
Kings of Leon 「Only By The Night: Special Edition」 \480
Audio Active and Laraaji 「The Way Out Is The Way In」 \880
 
2023/03/02: amazon.co.jp
Anne Sila「Amazing Problem」 \2632
Cabaret Voltaire 「The Drain Train & The Presseure Company Live In Sheffield」 \963
 
2023/03/04: JAXON’S RECORDS
Ry Cooder 「The Soundtracks: The Border / Alamo Bay」 \1980
The Neville Brothers 「Fearless」 \980
(V.A.) 「Released! The Human Rights Concerts 1998: The Struggle Continues...」 \1280
 
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Audio Active And Laraaji 「The Way Out Is The Way In」
 
先日、Spoon「Lucifer On The Moon」について書いた時に
イギリスのダブを先導してきたプロデューサー、エンジニアのエイドリアン・シャーウッドについて触れた。
彼のアンダーグラウンドなレゲエ、ダブに対する鋭い感性、嗅覚が
80年代以後のロックに与えた影響は多い。
間接的な形で、アメリカや日本にも大きな影響を与えているはずだ。
享楽的なようでストイック。マッド・サイエンティストというよりもシンプルに実験的。
この音を抜いてその分空間を広げたら、どうなるか。
ここの部分のバランスを変えたらどうなるか。
ツマミを右に思いっきり絞り、フェーダーを上げる。
実際にテープを切り貼りしてミックスをつくっているイメージがある。
 
そのエイドリアン・シャーウッドが日本のグループのアルバムをプロデュースしたことがあった。
それが Audio Active の最初の4作で
エイドリアン・シャーウッドのレーベル『ON-U Sound』からも発売された。
「We Are Audio Active」(1994)
「Happy Happer」(1995)
「The Way Out Is the Way In」(1995年 / Laraajiと共演、連名)
Apollo Choco」(1996)
 
これら4作はデビュー10周年の2003年にそれぞれリマスタリングされ、
ボーナストラックを追加して国内盤として再発された。
しばらく Audio Active を聞いていない時期があったので
僕は再発されたことを知らず、最近になって知った。
そのうち買うかと思っていたら先日の名古屋出張で DiskUnion に行ったときに
1枚目を680円と安く見つけることができた。
このとき、2作目も並んでて一緒に買うかどうか迷ったんだけど、
結局帰りの新幹線の中でネットオーダーしてしまった。
次の日、3作目を hmv のサイトで安く見つけることができてこちらもオーダー。
4作目の「Apollo Choco」だけは安いのが見つからず、
今のところ amazon で4,000円ぐらいする。
 
Audio Active は一度、ライヴを見たことがある。
Acid Jazz レーベルが流行っていた1994年か1995年か。
渋谷のクアトロに、イギリスから来た Sandals というバンドが出るというので
友達に誘われて見に行った。
アシッド・ジャズやトリップ・ホップをオーガニックに人力でやるおしゃれなバンド、という感じか。
その前座が Audio Active だった。
ベースをゲストで迎えてて、なかなかの凄腕だった。
その彼が Sandals でも客演していたような。記憶がはっきりせず。
Audio Active はドラムとギターとヴォーカルがいて、奥の方にキーボード。
そのヴォーカルが右手を宙に伸ばし、
スペース!とゆったりめに叫んでいたのを覚えている。
サングラスにキャップをかぶっていたような。
 
「The Way Out Is the Way In」は Laraaji と共演したアルバム。
一般的にララージと読む。
ブライアン・イーノが80年代初めに発表した『Ambient』のシリーズ4作のうち、
3作目「Day of Radiance」(1980)がこのララージによるもの。
ブライアン・イーノがプロデュースしている。
そのアルバムで覚えている人もいるだろう。
(なお、1作目は有名な「Music For Airports」で、環境音楽として実際に国際空港で使用された)
解説を読み直すとアメリカ、ニュージャージー州出身で
エレクトリック・ツィターを主に弾いていたという。
ニューヨークの公園で演奏していたところを偶然、ブライアン・イーノに発見されたのだとか。
恐らく、エイドリアン・シャーウッドとつながりがあったんだろう。
 
ツィターというと映画『第三の男』のテーマ曲で知られる、あの弦楽器ですね。
ハープに似てるけど、金属的で鋭い音。
アンビエントになるのかな、と思って「Day of Radiance」を聞き直すと
前半の ”The Dance”という3部構成の曲がツィターの弦をハンマーで叩いた音で、
環境音楽と呼ぶにはバタバタしていた。
後半の”Meditation”という2部構成の曲はおそらく不通に指で弾いたのだろう、
やわらかい音。天上から降り注ぐような。
世間一般的にアンビエントと聞いて思い描く音。
それをアンプにつないでレコーディング、ブライアン・イーノが音響面を整えた。
 
ということでこの両者による共演を聞いてみる。
単純なダブ+アンビエントではなかった。
前半は不思議な手触りの音を取り込んだノイジーなストレンジポップという感じか。
ノイズそのものではない。
後半は 「Day of Radiance」ぽいアンビエントが少し増える。
面白い音だよなあ。
両者にはスペース、宇宙というキーワードがあったんじゃないかな。
地球の、人口過密な都市から見上げる宇宙。
周回軌道を回る国際ステーションから垣間見る宇宙。
太陽系を離れ、人類には到達できない遠くにある宇宙。
しかしそれはすぐ側に、手のひらの上にあるというような。
ドラムやキーボード、ツィターの音の隙間から零れ落ちる宇宙。
 
Audio Active + Laraaji という組み合わせで来日を一度だけ果たしている。
僕が入手した中古CDにはそのチラシが入っていた。
原宿のラフォーレ
1995年10月31日と11月1日。
Dream Academy のケイト・セント・ジョン、Be-Bop Deluxeのビル・ネルソンがゲストだった。
ブライアン・イーノの弟、ロジャー・イーノの名前もあった。
地味だけどすごい組み合わせ。
これは見たかった。