先週買ったCD #132:2023/04/24-2023/04/30

2023/04/24: diskunion.net
秋吉敏子 「Lullabies For You」 \1800
The Pogues 「Peace & Love」 \880
(V.A.) 「Chicago The Blues Today! Vol.2」 \1300
 
2023/04/24: ヤフオク
Green On Red 「Scapegoats」 \480
 
2023/04/25: www.amazon.co.jp
Eric Clapton 「The Lady In The Balcony Lockdown Sessions」 \2475
 
2023/04/26: ヤフオク
Green On Red 「This Time Around +Live」 \1333
 
2023/04/26: diskunion.net
The Stray Cats 「Rat N' Rave」 \1100
 
2023/04/27: tower.jp
edbl & friends 「JPRK」 (\2640)
タワレコのポイントで
 
2023/04/27: diskunion.net
なかの綾 「へたなうそ」 \780
なかの綾 「わるいくせ」 \1500
 
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なかの綾 「わるいくせ」
 
床屋のラジオというものが意外と新しい音楽に出会う場所だったりする。
僕の通う荻窪の床屋は、土曜の朝だとNHK-FM
『世界の快適音楽セレクション』という番組を流していて、
ゴンチチの2人が幅広い地域、時代、ジャンルを横断して曲をかけてくれる。
僕は片耳でマスターと会話しつつ、もう片方の耳でこの番組を月に一度聞いている。
 
先月、”別れても好きな人” がかかった。
昭和歌謡永遠の名曲。カラオケのデュエットで定番ですね。
でも、こんな感じの曲だったっけ?
ラテン風味がかなり色濃い。ジャズを通したラテン。
エンディング部分の演奏、かなりグルーヴィーでエッジがきいてる。
元々がロス・インディオス&シルヴィアだから、ラテンと言えばラテンな名前だけど。
 
曲が終わって、女性ヴォーカルの方は名前を聞き忘れたが、
男性の方は Crazy Ken Band横山剣だという。
あ、そうか、この声はそうか。
ゴンチチのどちらかが、剣さんの声はタメがあってデュエット向きですねと言っていた。
 
床屋を出てすぐ、検索する。
なかの綾という人だと知る。
その日の用事を済ませて、新宿の DiskUnion に中古で在庫があるのを知るとすぐに買いに行った。
「ずるいひと」(2010)というタイトルで、残念ながら”別れても好きな人”は入っていなかった。
その代わりに”氷雨” ”恋に落ちて” ”愛人” ”舟唄” と昭和の名曲の数々をカバーしている。
帯には『25歳・現役ホステスが歌う、リアルな大人の夜の歌謡曲!』とあった。
ジャケットもカラオケスナックのけばけばしくもけだるい感じ。
昭和歌謡リバイバルの流れから出てくる女性シンガーがちらほらといるが、
この人はその決定版なのではないかと直感するものがあった。
 
実際、なかなかよかった。
熊本に帰った時にドライブに行くことがあって車の中でかける。
妻も義父もこのCDはいいと言った。
義父はこれを歌っているのかは誰かを知らないまま、歌い慣れた曲を鼻歌した。
 
続けて、「へたなうそ」(2013)と「わるいくせ」(2014)を買った。
ようやく”別れても好きな人”(なかの綾&横山剣)を聞くことができた。
このアルバムは他に ”雨の慕情” や ”ウィスキーが、お好きでしょ” も。
こちらもドライブで好評だった。
 
京都府出身。
オフィシャルサイトの biography を見ると実際にホステスだったのかはよくわからず。
もはやそういう色付けは不要なところに来た、ということなのだろう。
その後のアルバムでは林哲司杉真理といった作家陣を擁してオリジナル曲をアルバムに入れ、
CENTRAL というサルサバンドと共演するアルバムをつくったり、
なかの綾とブレーメンというユニットを組んだアルバムも出している。
昭和歌謡カバーという括りから飛び出して
よりアーティストとして踏み込んだ活動に進んでいる。
 
でもそれを聞きたいかというとまた別で。まあ機会があったら、となってしまう。
僕が聞きたかったのはなかの綾というヴォーカリストの唄というよりも
昭和歌謡をイイ感じにカバーしたのをまとめて聞きたいというだけだったようだ。
何とも失礼な話だが……
 
それぐらいこの3枚のアルバムが完成度高くて、
これさえあればいい感があるんですよね。
何も足さない、何も引かない。
これはこの頃のイメージ戦略が果たしてあっていたのか、どうなのか。
 
山根満里奈しかり、Sotto Bosse しかり。
最初カバーで脚光を浴びたアーティストがオリジナル曲で勝負しようとすると難しいもので。
間口は広げられるけど、多くがずれた期待をしてしまうようになる、ということ。