門前仲町・木場へ

ゴールデンウィーク後半戦に入った5月3日(水)のこと。
妻は神保町の古本屋でバイト。僕は特に予定はなし。
新宿の DiskUnion に探しているCDがあるようだと知って買いに行ってみるかなと思っていたぐらい。
 
そうだ、元住吉の「味噌や」に食べに行くかと思って寝床で食べログをなんとはなしに検索したら
掲載保留となっていて。え? ネットで調べたら3月22日に閉店となっていた。
僕が訪れた2週間後か。知らなかった……
お客さんも入っていたし、全然そんな雰囲気なかった。
最後にもう一度入ることができてよかった。
 
10時前に家を出る。
駅の近くのローズ・ガーデンでは警察のイベント。
子連れの親子で賑わっていた。
庭園の上にかかる橋からも大勢の人が写真を撮っていた。
キッチンカーも2台出ていて、ゴールデンウィークだなあと感じた。
 
木場まで行って深川ギャザリアの「陳健一麻婆豆腐店」に行こうと決める。
3月に亡くなって、いつか再訪しようと思っていた。
今から20年近く前、深川ギャザリアができたばかりの頃、
30歳の僕は木場のデータセンターとその近くのビジネスホテルを往復する生活を送っていた。
2日に一度は食べてたなあ。こんなおいしい麻婆豆腐はないと思っていた。
 
大江戸線門前仲町まで行って一駅歩くことにする。
都営線一日乗り放題の切符が500円で、あ、これ絶対得だと。
使ってない PASMO に入れた。
しかしいつもの習慣で iPhonePASMO を2回、出るときに当ててしまった。
入るときは気を付けているが、出るときはすっかり忘れてしまっている。
 
DiskUnion の開店まで時間があったので
代々木まで行ってブックオフに入ってみる。
しかしここにはCDがなかった。
代わりにアイドルの写真集だけで一棚、そして区切られてアダルトコーナーが。
 
雑居ビルの DiskUnion へ。
4階のラテンブラジルで
探していた Alpha & Omega の中古を1枚。
ファンタスティック・プラネット』という70年代フランスのカルトなアニメ映画のサントラ、
その国内盤を見つける。3,000円弱。
これは今買わないと一生で合わないかもしれないと買う。
もうひとつの DiskUnion で3階のジャズ。
熊本で読んでいた寺島靖国『サニーサイドジャズカフェが選ぶ超ビギナーのためのCDガイド』に出てきた
Hank Mobley 『Dippin'』を中古で買う。あ、これ持ってなかったんだと気づいて。
前から探していた Weather Report 『Mysterious Traveller』の国内盤も安く見つけることができた。
 
大江戸線に乗ってマーセル・セロー『極北』を読む。
村上春樹訳。PASSAGE で買った。
世界の終わりについて。読ませる文体。
 
門前仲町ブックオフは初めて。
こちらも前から探していた
John Coltrane 『Kulu Se Mama』国内盤と Free Soul の『Black Jazz』が
リーズナブルな値段で。しかもこの日はCDが30%OFFだという。
とてもいい一日だ。
 
木場まで歩いて、深川ギャザリアへ。何年ぶりだろう。
店の前の椅子がいっぱいで名前を書くと10組ぐらい待っていた。
20年前はそんなことなかったのになあ。
20年かけてゆっくり増えてきたのか、陳健一を偲ぶ一時的な物なのか。
30分後ようやく入店。麻婆豆腐はすぐ出てくる。
この日はかつて一番食べたBの中辛にする。
味は全く変わってないように思った。
みなとみらいの店や立川の店に入ったときはなんか違うと違和感があったけど
ここにはそれはなし。ありがたい。
ゴールデンウィークで人手不足なのか、
スタッフが少ないので席数を減らして営業と貼り紙がされていた。
 
深川ギャザリアを出て木場を散歩。
川が多いエリアでぐるっと回ってる間にいくつも橋を渡る。
データセンターの前まで来た。ここはもう利用されてないんだったか。
データセンターというものがひとつのビジネスになる時代は終わった。
今は Amazon Web Service や Microsoft Azure などのクラウドの時代。
一台のラックの中に薄型高性能のサーバが何台も設置され、配線され、
冷やすために凍えるように寒くて、ファンの音が絶えずしていて。
そのサーバの前まで来て直接モニターを立ち上げて作業して、
会議室のソファーで仮眠。
午前0時の処理が終わるとビジネスホテルに帰って寝る。
障害連絡があると携帯が鳴って呼び戻される。
そんな毎日だった。
楽しみは陳健一麻婆豆腐店ぐらいだった。
 
そういえば、真夜中ホテルまで歩いていたら
暴走した車が植え込みに突っ込んで
慌ててバックして逃げていったことがあった。
あれは飲酒運転だったんだろうか。
こちらも疲れていたから、警察に行ったりはせず。
 
そのビジネスホテルのあった辺りに行ってみる。
ここだろうか、という場所はアパホテルになっていた。
裏通りの飲み屋街、川沿いの歩道など歩きながら門前仲町の駅まで行って帰ってきた。
大江戸線でぐるっと回る。乗り換えなしはうれしい。
歩き疲れて帰りのほとんどを寝て過ごした。
 
光が丘に着いて、6階のLBIRO横の古本市に今日も。
マイルズ・ハーベイ『古地図に魅せられた男』(300円)
大川渉『酒場めざして 町歩きで一杯』(300円)
フィリップ・ロス『素晴らしいアメリカ野球』(100円)
洋泉社のキーワード辞典のシリーズ『映画の現在形』(400円)
 
家に帰ってきて夕方、そろそろ酒を飲むかとキッチンに行って
水を出したら急にツッパリ棒ラックが崩れてきた。
緩んでいていつでも倒れるようになっていたんだな。
食器類が割れることはなかったが、氷砂糖を入れていた壺が傾いて中の氷砂糖が……
それをひとつひとつ摘まみ上げるのに時間がかかった。
 
こころ旅を見て巨人、ヤクルト戦を途中まで。
笑点特大号を見る。蝶花楼桃花司会の女性大喜利など。
夜は熊本で買った
ふくやで出している鶏の炭火焼きの明太粉つきのもの。これはそのまま食べられる。
天草大王の手羽先一本丸ごと入ったものが二本のセット。こちらを焼いて食べる。
 
ぼっちキャンプを見て寝た。