常識を疑う

朝起きるとまずは NHK-BS をつける。
あまちゃん』の再放送の前の時間帯は流動的。
美の壺』だったり、『釣りびと万歳』だったり、『中井精也のてつたび』だったり。
今週前半は『空旅中国』で、それが続くかと思ったら今日は
『グレートネイチャー』の総集編だった。
モンゴルの砂嵐の後で、ハワイのカウアイ島だった。
 
条件がよければ、「ナイト・レインボー」を見ることができるという。
光量が最も多い満月、雨が降って、月の周りに雲がないこと。
そんな日は年に何日あるだろう。
番組では一晩かかってようやく明け方見ることができた。
確かに、夜空にぼんやりとではあるが、虹がかかっていた。
 
興味のある人は画像検索してみて欲しい。
世界一の絶景というほどではないが、面白い風景ではある。
そもそも夜の光の中で美しく写真で撮るのが難しいように思う。
 
感慨深かった。
世の中にはまだまだ知らないものがある、思いもつかないものがあった。
いや、それ以上に。
より正確には、自分が常識だと信じていたもののせいで
僕はその存在を思いつくことができずにいた。
虹は昼間のもの。
なんでそう思い込んでいたのだろう。
 
話変わって。
神保町の古本屋にバイトに行った妻から LINE が届く。
こんなのが入荷したよと。
クロスワードパズル辞典」
 
開いたところを写真で送ってくれた。
ページ左上から
 
カジバドロボウ
ナンバンキセル
カンバンダオレ
サイバンチョウ
アドバンテージ
ルスバンデンワ
 
意味や用法もなくただひたすらカタカナのタンゴが並ぶだけ。
 
ページ情報には
□□バ□□□□ー7
とあった。
そうか、そういうルールで出てくる単語をひたすら並べたんだな。
 
これは欲しい、と思った。
実際毎週日曜のクロスワードパズルを解くときに使うかと言ったら
絶対使わない。使ったら負けだと思う。
でもこれ、人類の叡智がバグった形の、ひとつの現れなんじゃないか。
(一生懸命作成された方には大変申し訳ないが)
それはそれで何かの記念碑として欲しい。
机の上に置いておきたい。
 
300円ぐらいなら買うかなと値段を聞いたら2,200円。
amazon で試しに見てみたら5,500円もした。
なんでそんなに安いのか聞いたら、
元の持ち主が掲載されていない単語を鉛筆で追記しているのだという。
とりあえず取り置き扱いにしてもらって、
明日神保町まで取りに行くことにした。
 
こちらもまた、自分が常識と思っていたものを
別な意味で疑うことになった。