明後日は怪談読書会

土曜の怪談読書会に向けて資料を作りました。
なぜか地図が多めです。
リアルな土地の話ってやっぱ怖いですよね。
 
古典は以前、小泉八雲耳なし芳一』と書きましたが、
分量が多くて読むのに時間がかかりそう、というのと
東京の怪談にしたいということで『貉』(むじな)に変更しました。すみません。
『貉』は赤坂の紀尾井町、紀ノ国坂が舞台なんですよね。
ビルの立ち並ぶ現代的なの風景から考えられないですが、
昔はだいぶ寂しい場所だったとのこと。
 
今週前半は改めて小泉八雲『怪談・奇談』を読み返していました。
いずれも今昔物語や十訓抄から採られた話や、
当時の雑誌に掲載された話が元になっています。
日本語の読めない小泉八雲は節子夫人が
(原文をそのまま読むのではなく)
昔話として語るのを好んだ、とのこと。
 
それが2倍や3倍、あるいはもっとそれ以上の分量となる。
小泉八雲の文学的想像力で物語の細部を豊かなものとする。
日本で見聞きしたもの、その素晴らしいものを海外に伝えたい、
という強い思いが小泉八雲の文章となったんだろうけど
読み物としての充実、海外の読者にとっての受け取りやすさ
という方向に向かったのではないか。
 
その核にあるもの、伝えたかったものは僕が思うに
日本の怪談という形をとった、
「こんな話聞いたことがない」というときの
日本の想像力の豊かさなんですよね。
そこに自らの文学的想像力でより豊かなものとする。
そこが小泉八雲の怪談の魅力なのではないか。
 
僕が読んだ講談社学術文庫版は原典も併録されていて、
短く、なんともそっけない。
淡々としている。
現代の怪談として読む『新耳袋』のよう。
語りとしての怪談からどんどん物語的なものを排して
出来事としての怖さに向かう。
そう思うと今回読む古典と現代と、逆の方向性なんですよね。
 
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・日時:2024年8月10日(土)19:00開始(18:30受付開始/20:30終了予定)
・場所:青熊書店(東京都目黒区自由が丘2丁目17-6 THE FRONT1階「創の実」内)
・料金:1,000円(税込)※茶菓付き
・定員:8名予定(2名催行)
・お問合わせ:青熊書店 aokuma0416@gmail.com
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