電話ボックスの復活

電話ボックスというものが街から消えて久しいとよく聞く。
商業施設の中でも隅の方に
「ここは昔、公衆電話が置かれていたんだろうな」
というデッドスペースがあったりするのもよく目にする。
 
電話ボックスはまた復活すると思う。
ただし電話ボックスそのものとしてではなく、機能が増えて進化したものとして。
携帯電話がスマホになって、もはや通話機能はごく一部の存在感でしかなくなったように。
ここ5年ほど駅構内などに電話ボックスよりも一回り大きなサイズの
個室のレンタルオフィスを見かけるようになった。
あれがもっと小さくなって電話ボックスサイズになって、
1時間300円など料金も安くなって林立するんじゃないか。
 
それはサラリーマンが仕事に使うだけではなく、若い人も入るようになるだろう。
都会の喧騒の中でプライベートの空間が欲しくなった時に。
多機能になったそこはモニターに映した動画を大音量で見るとか、一人カラオケとか、
あるいはただ単に椅子にもたれて寝るとか、本を読むとか
テイクアウトの食事をとるとか様々な使われ方がなされるだろう。
 
もっと言うと、アパートの部屋を借りるのではなく
そういった未来の電話ボックスを一定期間借りるのみ、という生活を送る若者が出てくるだろう。
当座の着替えとスマホをリュックサックに入れて、あとは何も私有しない。
 
時代が一回り、二回りして過去廃れたものが、
進化して復活するということはいろんな分野でありえる。
例えば鉛筆なんかも、黒鉛、粘土、軸木以外の全く素材で作られるようになって
ナイフで削りながら使う、それがデジタルなデバイスとなる、
そんな時代が来るかもしれない。
 
そういう未来がよいものなのかどうかよくわからないけれど。