猫には「お気に入りの場所」というものがある。
それがけっこう頻繁に変わる。
あるときはソファーに並んだクッションの隙間で、あるときは押入れの奥で。
夏場だとひんやりとした1階の廊下で、冬場だともちろんこたつの中で。
最近なぜかテレビの前にいることが多い。
ちょこんと丸まっている。
熱が出て温かいのだろうか?
しかし、電源を切ってるときにも座っていることがある。
テレビ台の端からスクリーンが離れていて、20cmほどの隙間がある。
この狭さが猫のツボなのかもしれない。
自分の体とほぼ同じ幅。
あるいは、「みみた、テレビが見えないよー」とジャマになってるのを
察知するのが嬉しいのか。
テレビをつけてるとき、みみたが前脚を伸ばしたり折り畳んでいると
それがたまたま出てる人と同じようなポーズになることがある。
頬杖をついているように見えるとか。
そういうの、写真の狙い目ですね。
テレビの前ではなく、ソファーの上にいて熱心にテレビを見ていることがある。
それこそ、岩合光昭先生の『世界猫歩き』であるとか。
仲間がいると思うのか。
でも、無言で見ている鳴いたりはしない。
近所に野良猫が来ているときには盛んに鳴き声を立てるのに。
猫にとっても視覚で捉える猫の姿と
聴覚や臭覚で捉える猫の存在とは別のものなのか。
時々、真っ暗なスクリーンの前に立って、映る自分の姿を見つめていることがある。
もしかしたらみみたも「自己」の発見をするのかもしれない。
またみみたが賢くなる……!!
……そんな日は果たしてくるのか。