神保町の顧客のところに週に一度水曜、通うことになった。
9時前には着きたい。
6時半に起きてスーツに着替え、「カーネーション」の再放送を見て家を出る。
駅に着いて、一本やり過ごして次で座っていく。
練馬駅でごそっと乗ってくる。
8時過ぎ。身動き取れない、というほどでもないがそれなりに混雑。
でも、そこまで劇的に減るわけでもない。
できる限りスマホは見ないようにする。
持ってきた文庫本を読むか、目を閉じているか。
神保町までまっすぐ直線で行けるのがありがたい。10分もかからないか。
改札を出る。地下通路の階段を下がって、上がってを何回か繰り返す。
別の改札を出た人たちと合流する。
むかでのような、一連なりの切れ目ない行列となっている。
それが改札から先、ふたつの列に分かれる。
ひとつはエスカレーターの左側で立ち止まる人たち。
ひとつはエスカレーターの右側で歩いて進む人たち。
僕は右側を選ぶ。
この出社する人たちの群れを見て、東京は異様な街だということを思い出す。
僕はまだ週一だからいいが、毎日出社という人もこの1年でだいぶ増えただろう。
コロナ禍前と何も変わらないように思う。
(実際顧客は原則リアル出社だ)
これが僕も毎日出社となったら何かが疲弊して、確実に麻痺してしまう。
僕が耐えられたのは20代、30代、40代の前半だったから。
50代を前にして今はもう無理だ。
とはいえ、身体の奥底に沁みついている。
そもそも、 Door2Door で今回70分。
これが「案外近いな」と思う感覚がおかしい。
次はやっぱ原則リモートの案件に着きたい……
仕事の内容や顧客の業界よりもまずはそこ。