2024/10/28: www.amazon.co.jp
Kalapana 「Many Classic Moments」 \2273
2024/10/28: tower.jp
The Interrupters 「In The Wild」 \2750
(V.A. 古日音庫) 「あの音にこの職人②:キャロル・ケイ編」 \880
2024/10/28: tower.jp
Nobody 「Live ワン! +6」 \(2640)
※タワレコのポイントで
2024/10/30: DiskUnion 新宿中古センター
Beyonce 「Lemonade」 \1500
2024/10/31: tower.jp
Liana Flores 「Flower Of Soul」 \2860
2024/10/31: diskunion.net
Joan Baez 「Debut Album」 \1265
Kate Wolf 「Back Roads」 \3450
2024/11/02: TowerRecords 新宿店
Becca Stevens 「Maple To Paper」 \2750
2024/11/02: DiskUnion 新宿中古センター
Motoley Crue 「Supersonic And Demonic Relics」 \1100
Cigarettes After Sex 「Cigarettes After Sex」 \1500
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Saje 「Saje」 \2000
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(V.A. 古日音庫) 「あの音にこの職人②:キャロル・ケイ編」
夜、テレビのチャンネルを妻が適当に変えていた時に目が留まって
酔っぱらってる時間帯なので曜日も時間帯もよくわからずなんだけど
毎回、マニアックだけどその筋では影響力の大きい大御所という
絶妙なテーマを決めて紹介する。
2人だけで進行するのではなく、解説者も加わる。
他、NHK の番組サイトを見ると
それが本人そのまま登場ではなく、
(いつやってるのかわからずで)結局見れてないんだけど、
キース・ジャレットの回の最後に次はキャロル・ケイと予告があって、
すげー! よくわかってるあなあ、と。
アメリカを代表するスタジオ・ミュージシャン。
いわゆる60年代半ば、後半にかけて活躍した
スタジオ・ミュージシャン集団『レッキング・クルー』の一員。
今でこそ録音に参加したミュージシャンのリスト、クレジットは
アルバムのクレジットに細かく掲載されて当然だけど、あの頃は違った。
裏方は裏方のまま、その名前が出ることはなかった。
キャロル・ケイ自身がリーダーとなったアルバムを出したわけではないので、
その名前を知る人は少ない、というか機会が普通ない。
でもその歴史を紐解こうと熱心にリサーチしてまとめるエライ人がいるわけで。
分厚い本にもなったし(日本でも翻訳されたし)、ドキュメンタリー映画にもなった。
うーん、キャロル・ケイの名前はそれとなく
再発というか発掘されたアルバムの日本語解説で目にしてきたけど、
まとまって聞いたことがない。
普通、あるわけないか……
(アメリカでも編集盤がだいぶ昔出たみたいだが、当然のごとく入手は困難)
そんなときに、あ、出てんだ、とちょうどよく発売されたのが
グッドミュージックの再発でお世話になることの多いオールデイズ・レコードによる
『あの音にこの職人』のシリーズ。
その2作目にセッション・ベーシストとしてのキャロル・ケイを取り上げていた。
サブタイトルが『60'sポップスを支えたセッションの女王』
なんとタイムリーな。番組が先なのか、こちらの企画が先なのか。
なんにせよ裏でつながってるに3000点。
(ちなみに1作目はスコッティ・ムーアで、
ジャケットに描かれたイラストではちゃんと横にエルビス・プレスリーがいた)
トラックリストがすごすぎ。抜粋すると
01. The Cascades ”Rhythm Of The Rain”(Album Version)
※なぜアルバム・バージョンなのかは解説を参照。仕事が丁寧すぎる。
03. The Ronettes ”Do I Love You?”
08. Nancy Sinatra ”These Boots Are Made For Walkin'”
10. Cher ”Bang Bang”
11. The Beach Boys ”Sloop John B”
12. Simon & Garfunkele ”I Am A Rock”
13. Ike & Tina Turner ”River Deep, Mountain High”
15. The Monkees ”I'm A Believer”
※60年代ポップスを彩る綺羅星たち。
ちなみに、サイモン&ガーファンクルの
後でレコード会社が勝手に”卒業”(The Sound Of Silence)にフォーク・ロック調の
バックをつけた、というときに彼女は弾いていなかったとのこと。
他、解説をまとめてみると
・セッション・ギタリストとしても錚々たる経歴。
Ritchie Valens ”La Bamba”なんかも。あの、”ラ・バンバ”ですよ!?
・そのセッション・ギタリストとしてのデビューは新人時代の、かのサム・クック。
・12弦ギターも弾いていた。
・ベーシストとしてはモータウンでも弾いていた。
The Supremes ”You Can't Hurry Love”なんかも。
(しかし、記録が残ってない時代で、諸説あるようだ)
・1969年よりシリーズで出版したエレクトリック・ベースの教則本は
スティング、ジョン・ポール・ジョーンズ、ジャコ・パストリアスらが参考とした。
以後、教育分野への比重を高めた。
・70年代にはテレビや映画の音楽へと活動のフィールドを変更。
経歴が華麗すぎる。
なのに、知られていない。
アメリカに限らず日本でもそうだったけど
20世紀半ばまでの大衆向けの芸術って一握りのスターと
その周りの無数の支える人たちで成り立ってたんだなあと。
そして彼らは、彼女たちは、無名が当然だった。
実際に音源を聞いてみる。
”Rhythm Of The Rain” も ”Sloop John B” も ”River Deep, Mountain High” も
何度も聞いているのに、ベースに着目したことなど一度もなかった。
70年代のファンクのベースでもないし、ブルースをベースにしたロックのベースでもない。
あくまでポップスなので正確にリズムをキープする、無駄のないソリッドな音。
誰でも弾けそうだけど、弾けない。
というか、誰でも弾けそうなというイメージを持たせるぐらい一般的にしたのが彼女であり、
仲間たち、レッキングクルーの面々だったのだろう。
もうひとつちなみに。
2020年、ローリング・ストーン誌が選んだ「史上最高のベーシスト50選」で第5位とのこと。